センスがなくてもOK! プレゼン資料の「伝わるデザイン」テクニック

センスがなくてもOK! プレゼン資料の「伝わるデザイン」テクニック

デザインはセンスで決まる」と思っていませんか? 実はそうではありません。わかりやすいスライドのデザインには、共通する「伝わるデザイン」のテクニックが存在します。これまで1万枚のプレゼンスライドを作ってきたプレゼン講師・藤倉が見つけた、わかりやすいスライドに共通する「必勝テクニック」をご紹介します。

2020年2月20日、株式会社ロジクール様にて、MOVEDが主催する伝わるプレゼンの学校『伝プレアカデミー』の第3回目の授業が行われました。今回から【デザイン編】の授業が開始。今回の講師はMOVED藤倉です。

1万枚のプレゼン資料を作ってきてわかったこと

1万枚のプレゼン資料を作ってきてわかったこと

「たかがプレゼンがこんなに人を不幸にできるのか」

「たかがプレゼンがこんなに人を幸せにできるのか」

講師の藤倉はこれまで、4000人以上にプレゼンテーションデザインの指導をしてきた経験から、このように感じたそうです。確かにプレゼンがうまくいけば、プレゼンターだけでなく、聴き手も気持ちよく会議を終わることができます。

藤倉

相手に共感出来る人が、プレゼンで自分の想いを伝え、伝わる充実感と自分を表現する喜びを知ると思っています。

「伝わる充実感」を得るためには、プレゼンの内容やその場の雰囲気に合ったスライドを作ることが求められます。しかし、デザインを勉強したことのない人にとって、スライドをどのようなデザインにするかは難しい問題です。

藤倉

多くの人は「自分はセンスがないから」とあきらめてしまいがちなデザインですが、相手に「伝える」ためのデザインには型があります。

実際に私もプレゼンのスライドをつくる時は、デザインに自信がなく、申し訳程度に写真を入れたり、図形を組み合わせたりしていました。この自信のないスライドを変えるためには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。講義ではこの点について理解を深めたいと考えています。

パワポを開く前に頭を整理するのが、プレゼンの第一歩

パワポを開く前に頭の中を整理するのが、プレゼンの第一歩
藤倉

プレゼンする内容が決まったら、とりあえずパワーポイントを開いて、手探りでスライドを作り始めていませんか?

そのように問われ、思い返してみると心当たりがあります。他の受講生もうなずいている人が何人か見受けられました。まずは頭の中を整理し、「誰に」「何を」伝えるのかをまとめることが重要だといいます。

藤倉

プレゼンは相手と自分との間に「つながり」を作るものです。「つながり」とは、つまり「重なり」のこと。相手と自分の「想いが重なるところ」に共感は生まれます

想いを重ねるためには、聴き手がどのような人か想像することも重要です。相手のことを想像する際の具体的な内容として、次の3つが挙げられました。

  • 属性(性格、年齢、職種等)
  • リテラシー(専門用語、テーマの背景や文脈を知っているか)
  • モチベーション(テーマに対する関心は強いか、単なる情報収集か)

プレゼンの準備段階で、相手のことを考えているつもりでも、自身では以外とここまで明確にして考えていなかったように思います。ここまで想定することで、次に必要になるのが、相手に「ベネフィット」を伝えることです。

多くの人は、話すときに自分の頭の中をそのまま言葉にしてしまいがちです。しかし、そのまま伝えることが、相手にとって正解であることはほとんどないでしょう。そのため、「相手の頭の中を想像し、相手の望むことと一致する言葉に置き換える」ことが必要です。

それでは、類義語である「メリット」と「ベネフィット」の違いはあるのでしょうか。どちらも「相手のためになる」という点では同じ意味を持つように感じますが、明確に異なる意味を持つそうです。

藤倉

メリットとは、その商品の「機能」「性能」のことで、ベネフィットとは、その商品から「得られる状態や体験」のことです。

機能・性能(=メリット)を使うことで「相手にとってどのようないいことがあるのか(=ベネフィット)」を伝えることで、相手がプレゼンを「自分ごと」だと感じてくれます

「相手の立場で考える」ことは、第1回・第2回の授業でも重要なポイントとして学んだ点です。デザインでもこの点を意識して取り組むことで、クオリティがアップするといいます。

伝わるデザインの「センス」は、学べるし磨ける

プレゼン資料】伝わるデザインの「センス」は、学べるし磨ける
藤倉

自分はデザインのセンスがないと思っている人はいますか?

この問いには多くの参加者の手が挙がります。私も絵を描いたり、スライドの写真を選んだりすることは得意ではないので、センスがないと思っています。しかし講師の藤倉は、今回のテーマである「伝わるデザイン」に必要なセンスは、学ぶことができるといいます。

藤倉

必要なのは生まれついたセンスではなく「センスの置き換え」です。NGパターンとOKパターンを覚え、実践することが「伝わるデザイン」には求められます。

「センスの置き換え」というと難しく聞こえますが、本授業では、センスの有無に関わらず、成功の型を知り、そのノウハウによって安定したデザインを作り出すということです。

それでは、「資料に一瞬で魔法をかけるベーシックルール」のうち、私が特に重要だと感じ3つのテクニックをご紹介します。

1.情報を詰め込みすぎない

 1ページに1メッセージを貫き、言葉は簡潔にする。

2.適度な空白をキープする

 コンテンツ:余白=7:3 を目安にする。

3.背景写真に文字を埋もれさせない

 背景の写真の透明度を調整したり、文字を入れ込むための余白を作る。特に、人の顔に文字がかぶっていると、人は気持ちが悪いと感じるため気を付ける。

これら3つは、気を付けていても見落としがちなミスではないでしょうか。「情報を詰め込みすぎない」に関しては、プレゼンをする会場の広さによっても、文字の大きさ・量を意識する必要がありそうです。

さらに応用編として、講師のヘビロテTIPS集の紹介もありました。

中でも写真選びでは、いわゆる「昭和プレゼンスライド」(=誇張した写真や意味のないアイコン)に対し、ナチュラルな写真や適切なアイコンを使うことを意識することを推奨していました。

藤倉

普段から、「この写真はこんな表現に使えそうだ。」というように意識をもっていると、スライドを作る際に役立ちます。

何を表しているのははっきりしていない「抽象的な写真」もストックしておくことで、役に立つ場合もあるので集めておくとよいでしょう。

自分で意識をして写真を撮ってみるのも、スライドづくりに役立ちそうです。みなさんも普段の何気ない日常を、写真に収めてみてはいかがでしょうか。

「伝わるデザイン」のルールを覚えてデザインの基礎をたたき込む

デザイン編の1回目にあたる今回は、スライドづくりの心構えから、実際のテクニックまでを学ぶことのできる授業でした。

写真選びや色の使い方は人それぞれですが、見る側に立ってみると、「伝わりやすいデザイン」はある程度決まっています。基本を押さえ、繰り返し実践を繰り返すことで、自分のセンスとして磨かれていくのではないでしょうか。

次回はデザイン編の後半です。図解クリエーターの新垣才が登壇します。デザインの中でもさらに「図解」に焦点をあてた授業。非常に多くの学びを得ることができそうです。

プレゼン研修の最新情報は、TwitterとFacebookでも配信しています。

アカデミー第4回の記事はこちら。
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講師プロフィール

藤倉 礼亜(ふじくら れあ)

富士通株式会社にて経営層や役員のプレゼン制作を担当するインハウスデザイナー。ブランディング、新規ビジネス創出に加え、これまで約1万枚以上のプレゼン資料を制作・監修。

聴き手に共感し、共感を引き出すプレゼンテーションのノウハウを教える「共感プレゼン」セミナー講師。これまで約4000人にレクチャーを実施してきた。

この記事を書いた人
小泉拓美

小泉拓美

ライター、カメラマン

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