プレゼン原稿(台本)の作り方・コツ、話し方~緊張せずスマートにプレゼンを行う~

プレゼンは必ずしも暗記をして行わなければならないものではありません。まして、スティーブ・ジョブズのようなパーフェクトなプレゼンが求められているわけではありません。

原稿をもってプレゼンを行うことも良い、とはいえ原稿をただ読み進めることはプレゼンと言い難いでしょう。原稿は、資料やスライドをただ印刷したものではなく、「間のとりかた」や「抑揚」「話すスピード」などを書き込んだ『台本』としての役割を果たすものを準備します。

今回はプレゼン原稿の作り方・コツ、スマートにプレゼンを進める方法についてご紹介します。聞き手の集中を妨げることのないようしっかり準備してプレゼンに臨みましょう。

目次

プレゼン原稿の必要性

プレゼン原稿を持つ女性

話す内容を暗記し理解しているといった場合でも、できる限り原稿を準備しておきましょう。原稿を作ることで、図があったほうが話しやすい、資料を見せるのではなくホワイトボードを利用しようといったプレゼン本番の想定も可能となります。

実際、MC、司会者、アナウンサー、こういったプロの方でも原稿を準備し本番に臨んでいます。

緊張しても問題なく進められる

話すことをしっかり覚えていたとしても、大勢の前に立つと頭が真っ白になることもあります。
そもそも人前で話すのが苦手な人の場合、プレゼンをすること自体緊張となります。内容を覚えなくてはならないとなれば、よりプレッシャーへと繋がるでしょう。

また、緊張しながら話す場合、話す内容にばかり気をとられて、抑揚をつけたり感情をこめたりすることも難しくなります。大事な場面でミスしない、また緊張しても対応ができるよう、原稿を準備しましょう。

成果に繋がりやすくなる

プレゼンにおける原稿は、セリフを丸々文字におこし、読み上げることを目的にはしていません。このスライドで伝えたいメッセージはこれ、ここは大きな声でいいたい、間を取りたい等、強調したい部分やポイントを記します。

話の内容だけでなく、伝え方によって相手への伝わり方は大きく変わります。原稿を準備することで、成約率・売上のアップ、周囲からの信頼、印象アップといった成果に繋がりやすくなります。

プレゼン原稿の作り方・コツ

ではプレゼン原稿はどのように作成していけばいいのでしょうか。

プレゼン原稿

プレゼンの際に使用する資料に沿って準備する

原稿を作るために、プレゼンの際に使用する資料に沿って準備をしていきます。
プレゼンスライド1枚に対し、伝えたい内容を簡潔に1文で示します。各スライド重要な点を書き出し、話したい順番に並べます。より深めて長めの説明が必要なスライドと、そうでないスライドがあるはずです。きちんと原稿で整理しておきましょう。

また、スライドに入りきらなかった情報を+αで原稿に追加することで、より深みを増した内容へと変化します。

スライドとスライドのつなぎ方を意識する

スライドを切り替える際のつなぎ言葉、つなぎ方を決めておくことも大切です。
スライドを切り替える際に、唐突にページが切り替わると、聞き手に「不自然な流れだ」「唐突だ」といった印象を与えかねず、全体的にもまとまりがなくなります。聞き手の集中力が途切れる原因にもなるので、繋ぎ言葉を事前に決め原稿にも書き込んでおきましょう。

  • 「1つめ」「2つめ」「3つめ」というように番号をいってから、スライドを切り替える
  • プレゼンで、最も伝えたいキーワードや、キーメッセージを言うと同時に、スライドを切り替える
  • 「その結果がこれです」というように指示代名詞を述べて、スライドを切り替える

つなぎ言葉が変わることでプレゼン全体の印象が大きく変わります。

読み進めるだけの原稿を作らない

プレゼンを行う側が原稿をただ読み進めるだけではプレゼントは言えません。聞き手が最後までプレゼンに集中し、イマイチな印象を与えないようなプレゼンにしましょう。

読み進めるためのものでなく、要点や伝えるべきキーワードといった話し方のポイントを原稿に書き込むようにします。間や抑揚、目線送り、身振り手振りといったジェスチャーについても記載します。
一呼吸を置く部分や強調する部分にはマーカーをひく等、話す状況を意識させるものを足していきます。練習のたびに気づきを書き込んでいくことも重要です。
原稿があるとつい読むことに集中しがちですが、そうならないよう原稿内に記載しておきます。

KISSの法則を意識して分かりやすく簡潔な原稿を作る

伝えるには「キスをすることが大事」だと言われています。

KISSの法則・キスの法則

”Keep it Simple, Stupid/Keep it Simple, Short”の頭文字を取って、「KISSの法則」と呼ばれています。つまり「短く、わかりやすく、簡潔に話す」ということです。

専門性や権威性を示すために、専門用語を使い、難しい言い回しを使うことは決して悪いことではありませんが、使いすぎると聞き手を置き去りにし、理解されない・伝わらない可能性が高まります。
また、話す際文字数が長くなりすぎると、聞き手に理解されない場合も。

「NHK式7つのルール」では、「一文50文字以内」にするとしています(参照:一分で一生の信頼を勝ち取る法/矢野 香)。
色々な事を詰め込みすぎた文章にしても、何がいいたいのか分からなくなってしまいます。意識的に短く、伝えたい内容を意識した言葉選びをしましょう。

「わかりやすく」「具体的に」「簡潔に」伝えることを意識します。

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時間配分を意識して作成する

プレゼン全体の時間配分を意識し、原稿を作成します。

「プレゼン時間をまもる」ことはプレゼンにおける評価の一つです。自分のプレゼン時間が伸びることで、他の人のプレゼン時間調整が必要、聞き手が最後までプレゼンを聞くことができない等迷惑をかけることになります。

練習の時から時間を測ります。
また原稿に、「5ページ:2分」「10ページ:3分」というように目安の時間を記載しておきます。
多くの人が本番では緊張のため早口となり、時間が短くなりがちです。原稿に目安を記しておくことで、早く進みすぎているので今後はゆっくり話そう、というように調整することが可能になります。

印刷しただけの原稿でなくきちんと製本をする

プレゼン原稿を持つ女性

原稿を持ちながら話すことで、安心してスマートにプレゼンを行うことができます。しかし、ただ印刷しただけの紙をもってプレゼンを行うことはおすすめしません。原稿の順序がばらばらになり焦る様子、うまくページをめくることができないなど、見ている側からの印象もあまりよくありません。

製本を行い、見栄え良くプレゼンに臨みましょう。

原稿の作り方を解説

まず、プレゼンで使用するスライド資料を画像でエクスポートします。
原稿に、スライド資料を挿入、そのスライドを表示している際に話したい内容を隣に記載し並べます。読みやすいように改行を多くいれます。
行間を少し広めにとり、一旦原稿から目を離したあとでも、すぐ読み進められるようにすることもおすすめです。

製本の仕方を解説

見開きでB5出力での印刷をします。
半分に折った紙をそれぞれ糊ですべてくっつけていき、1冊にまとめます。バインダーを使うことも可能ですが、片手で持つ際に負担が少ないので厚紙で表紙をつけることをお勧めします。

※手持ち原稿(台本)の作り方、台本を持ちながら話すコツに関しては下記動画を参考にしてください。

原稿を持ちながらスマートに話すコツ

原稿を下に持ちすぎても上に持ちすぎても顔が見えにくくなってしまいます。胸の高さで持つようにします。鏡に自分の姿を映し、原稿を持つ位置を確認しましょう。
原稿を持つ側でない手はジェスチャーや画面の手差しなどで使うよう意識します。ページめくりもさっとできるように練習が必要です。原稿があっても基本的には前を見て話す意識は忘れないようにしましょう。

内容を覚えている場合にも、原稿はプレゼンの進行に合わせてめくっておきます。いざ頭が真っ白になり原稿を見た際に、一気に原稿をめくることは印象がよくありません。いざという時のためにも、進行に合わせてページめくりは忘れず行いましょう。

まとめ:成果につながる原稿を作りを

プレゼンを行う女性

今回はプレゼン原稿の作り方・コツ、スマートにプレゼンを進める方法についてご紹介しました。
ただ資料やスライドを印刷したものではなく、つなぎ言葉や時間といった相手に伝えるためのポイントを原稿に入れましょう。

ただ単に原稿を読み進めることはプレゼンとは言えません。自身の伝えるポイントを明確に、相手に伝わる伝え方を意識することで、プレゼンの成果も変わってきます。

成果につながる原稿を作り、プレゼンに臨みましょう。


プレゼンでの話し方、プレゼン練習に関する記事はこちらにてご紹介しております。

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