プレゼンテーションにおける「起承転結」の使い方、具体的なプレゼンテーション活用方法
プレゼンテーションはビジネスや学術だけでなく、日常生活のさまざまな場面で重要となるスキルです。「起承転結」は、文章や話などで全体を4つにわけ、分かりやすく整理することができる構成です。それぞれに分けてプレゼンテーション内容を構成することで、だらだらしたプレゼンテーションではなく、分かりやすく聞き手を惹きこみやすくなります。
そもそも課題はどこにあり、どういった結論にいたるのか、流れを作るために重要なフレームワークです。
この記事では、そもそもプレゼンテーションにおける「起承転結」とは何か、なぜ重要なのか、そして実際のプレゼンテーションでどのように活用できるかについて詳しく説明します。
そもそもプレゼンにおける「起承転結」とは何か?
「起承転結」とは、プレゼンテーションや話を整理し、聞き手に情報を伝える際に効果的な構造です。これは、物語の構造に基づいており、以下の要素から構成されています。
起:始まり。聞き手の興味を惹きつける部分です。起承転結の「起」では、これから話すことの最も伝えたいことや主題・目的を明確にし、聞き手になぜこのプレゼンテーションを聞くべきかを示します。
承: ここでは、プレゼンテーションの本文が展開されます。情報やアイデアを順序立てて提示。説明や具体例を交えることで、理解しやすく伝えます。
転:プレゼンテーションの中盤で、大事な転換点です。新しい情報や視点が追加され、聞き手の注意を惹き続けることに繋がります。
結:プレゼンテーションの結論。主要なポイントをまとめ、重要なメッセージを再強調します。また、アクションアイテムや質疑応答の機会を提供することもあります。
プレゼンテーションで「起承転結」を活用
起承転結とは何であるか分かった上で、一つ一つを詳しく見ていきます。
【起】
「起」はプレゼンテーションの始まり。聞き手の注意を惹きつけることが必要です。具体的には、問いかけや課題を提起します。問いかけ・課題は聞き手が自分自身で考える機会となり、今後続くプレゼンテーションへの興味を高めます。また、体験談やエピソード、既存の物語などの「ストーリー」を利用して伝えるストーリーテリングを用いることで、聞き手の感情を揺さぶり、聞き手の解釈での疑似体験へと繋げることも。
例えば、スマートフォンを題材にプレゼンテーションを行う場合、以下のような「起」を用いることができます。
「皆さんは、最近の電車内やカフェでスマートフォンを使っている人を見かけることが多いと思います。実は、このスマートフォンの普及率は驚くほど高く、世界中で数十億人が利用しています。では、なぜスマートフォンはこんなにも人気があるのでしょうか?」
このように、問いかけや課題提起を行うことで、聞き手に自分自身で考える機会を与えることができます。また、具体的なデータや事実を交えることで、説得力を持たせることにも繋がります。
またこのパートでは、プレゼンテーションの目的や基本的な流れについても説明することが大切です。
何を伝えるためにこのプレゼンテーションを行うのか、プレゼンテーションがどのような目的を持っているのかを明確に聞き手に提示。聞き手がプレゼンテーション全体の構成を理解し、共通認識を築いた上でプレゼンテーションを進めることができます。
「起」。プレゼンテーションの第一印象を決定づける部分です。そのため、これから進むプレゼンテーションにおいて最も伝えたいことを伝えやすくするために、興味を引くエピソードを紹介する、明確かつ簡潔なプレゼンテーションの目的・流れを説明するといったことが必要になるのです。聞き手が抱える問題や関心事に焦点を当て、プレゼンテーションがどのように役立つか、伝えることも効果的でしょう。
【承】
プレゼンテーションにおける「承」。このパートは、聞き手との共感を得るために非常に重要なパートです。プレゼンテーションの中核部分であり、メッセージや情報を詳細に説明し、展開する部分です。この部分では、自分の主張や提案に対して聞き手が共感するように、具体例や数字、引用、資料、アニメーションなどを利用することが効果的です。
例えば、聞き手が興味をもつ具体例を挙げる、統計データを用いて説明するといった方法を用います。また、引用や資料を用いることは、プレゼンテーションが信頼性の高いものであることを証明することにもつながります。
具体例や統計データを表現する際には、動きのあるグラフやチャート、アニメーション等を用いることで、聞き手がより分かりやすく、かつ興味深く内容を理解できるようになります。
「承」の部分では、プレゼンテーションの中核的な情報を提供し、聞き手との共感を得ることが求められます。自分の伝えたいことに対して聞き手が共感できるように、興味を持つ具体例や数字、引用、資料、アニメーションなどをうまく活用することが大切です。
【転】
プレゼンテーションにおける「転」。以前のパートで具体例を提示した上で出てくる疑問や不安、聞き手の聞きたい部分を解消します。また今までとは異なる新たな視点やアイデア、将来の展望を提供することも効果的です。
例えば、スマートフォンを題材にプレゼンテーションを行う場合、以下のような「転」を用いることができます。
「今までのスマートフォンは場所によっては繋がらないといったことも。・・・【過去の課題】
5G通信技術の普及により、より高速で多機能なデバイスに進化。・・・【解決】
高品質のストリーミング、仮想現実体験、自動運転車との連携など、新しい可能性が広がります。・・・【展望】」
自社製品やサービスと競合との比較といったことも効果的です。比較することで、聞き手に自社製品がどのように優れているのかを説明することができます。
「転」は、課題から解決への道筋を示し、未来の可能性といった展望、また自社製品と競合との比較を通じて聞き手の課題や悩みを解決するための情報を伝える部分となります。
【結】
プレゼンテーションにおける最後の「結」。プレゼンテーションを聞いた上で、聞き手にアクションを起こしてもらうための重要なパートです。
最も伝えたいことを再度強調することで、聞き手の理解を深めることができます。その上で、今後の提案やアイデアを示し、聞き手に行動を促すことも。
例えば、ある商品を対面で実演するデモンストレーションであれば、ただ単にプレゼンテーションをうまく進めるだけではなく、最後の購入まで誘導出来ることが求められています。申込、トライアル、次の打ち合わせなど、プレゼンテーション終了後の具体的な次アクションを事前にしっかりと準備しておくことが大切です。
まとめ:プレゼンテーションにおいて「起承転結」をうまく活用する
プレゼンテーションにおける起承転結、基本的な流れや重要な点を具体的にご紹介しました。
起承転結、それぞれにわけて内容を構成することは、聞き手を惹きつけ、共感を得るために欠かせません。
「起」では、聞き手の注意を惹きつけるため、問いかけや課題提起。ストーリーテリングを利用。
「承」では、具体例や数字、引用、資料、アニメーションなどを利用。
「転」では、聞き手の課題や悩みを解決。競合比較、グラフやチャートなどを利用。
最後に、「結」では、聞き手にプレゼンテーションを聞いた後、アクションを起こしてもらうため、提案やアイデアを示す方法などを紹介しました。
このように、プレゼンテーションを行う際、「起承転結」は基本的なフレームワークとして利用することができます。起承転結それぞれの要素を工夫することで、より効果的なプレゼンテーションを行うことができます。
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