プレゼンテーション本来の目的とは~相手の行動を促す~

プレゼンテーションとは、情報やアイディアを他者に伝えるために行われるコミュニケーションの一つです。
顧客への重要な提案、上司への相談、同僚の説得、アイディアの共有、ビジネス上の意見の食い違いや対立を解消するため、などビジネスの場面では常にプレゼンテーションが必要となります。
しかし、プレゼンテーションを行うとなると、スライドを作りこむことに集中、話す内容ばかりに目がいきがちではないでしょうか。
改めて、プレゼンテーションの本来の目的を把握し、プレゼンテーションを成功に導くコツについて考えてみましょう。

目次

そもそもプレゼンテーションとは、プレゼンテーションの目的とは何か

プレゼンテーションはビジネスや学術など様々な分野で広く利用される重要なコミュニケーション手段です。
そして、言葉や視覚的な手段を用いて、聞き手に情報を伝える行為です。会議、セミナー、講義、日常的な上司への提案や同僚への相談など、さまざまな場面で活用されています。

プレゼンは聞き手への贈り物。聞き手の理解を得るだけでなく、そのうえで相手に行動してもらうことが目的となります。プレゼンは、単なる説明ではなく、相手に伝え、相手に何らかのアクションを起こしてもらうことがゴールとなります。ただの説明、発表とは異なることを意識しましょう。
プレゼンテーションとは、自分がいいたいこと・伝えたいことをただ話す、相手に伝えることではありません。相手が受け取って喜ぶ情報は何かを考え、まずは伝える情報について考えましょう。
そして、プレゼンの真の目的は一方的に情報を伝えるだけではなく、相手の心を動かすことにあります。プレゼン後には、聞き手の反応を意識的に追求し、彼らの心を動かし、行動に移すことを目指します。ただ情報を聞かせるだけでなく、相手に共感を与え、行動に結びつけることで、より高い成果を得ることが可能です。

自分の言いたいことだけをプレゼンで伝えたとしても、相手の共感を得られなくては、聞き手の行動には繋がりません。一方的に聞き手に情報を伝えることを目的としてしまうと、伝わらないだけでなく、聞き手は比較検討のフェーズへと移ってしまいます。情報を伝える共に、その情報に基づいて動くことで得られる具体的な未来の姿を描き、相手に伝えることが重要です。

プレゼンテーションにおいて大切なのは「想い」

プレゼンテーションの内容以上に大切なのは「伝え方」です。

プレゼンに対する想い

さて、皆さん、一度考えてみてください。プレゼンを聞く際、皆さんが惹きこまれるのは、細かな内容でしょうか、それとも話し手の視線や話し方から伝わる熱量でしょうか。どんなに淀みなくすらすら話していたとしても、話し手の気持ちや想いが伝わらなければ、聞き手の心は動かされません。
滑舌が良く、聞き手が聞きとりやすい大きさでスムーズに話すことは確かに重要です。しかし、それだけでは聞き手の心に響くことは難しいかもしれません。テクニックがあるに越したことはありませんが、プレゼンに本当に必要なのは、流暢な話し方ではありません。 本質的なものは、「伝えたい想い」をしっかりと持ち、気持ちを相手に伝えることです。

プレゼンテーションにおいて大切なのは、単なる情報の伝達ではなく、話し手が抱く「想い」を相手に伝えることです。滑舌やテクニックも重要ですが、それが伝えたい気持ちに勝ることはありません。聞き手に対してどのような「想い」をもって臨むか、どのようなことをそもそも伝えたいのか、を意識しましょう。より深い共感を生み出し、聞き手の心を動かすことができます。技術よりも重要なのは「想い」であり、それがプレゼンにおいて大切であることを再認識しましょう。

プレゼンテーションを成功に導くには:聞き手の心を動かす

プレゼンテーションは、単に情報を相手に伝えることが目的ではありません。プレゼンテーションとして成功するには、相手が受け取って喜ぶ情報を的確に伝えることが大切です。

プレゼンテーションの出発点は、聞き手のニーズや期待を理解することです。聞き手が求めている情報や解決したい課題、興味を引くトピックなどを把握することで、プレゼンテーションで伝えるべき点が明確になります。プレゼンテーションの流れを考える前に、「今回のプレゼンのそもそもの目的は何か?」や「聞き手は何に興味を持っているか?」といった問いかけを通じて、聞き手の期待を考えることから始めてみましょう。

プレゼンテーションにおいて、聞き手にとってなぜ重要なのかを明示することも大切です。伝える情報の背後にある意義や付加価値を強調し、聞き手にとって興味深いものに仕立て上げましょう。
例えば、「これからお話しする情報は、新しいプロジェクトにおいて私たちが取り組んでいる重要な取り組みです。これにより、効率が向上し、利益が増加することが期待されます。」。これはビジネスプレゼンテーションにおける一例ですが、理解を深め、協力を得るためには、冒頭にこういった情報を入れることも必要でしょう。
このようにプレゼンテーションを、情報の単なる伝達以上のものとして位置づけ、相手にとって価値あるものとします。相手の立場に立ち、喜びや関心を引き起こす情報を提供することで、より効果的で印象深いプレゼンテーションが可能となります。

そして、プレゼンテーションの目的は、一方的に情報を相手に与えるだけではなく、相手の心を動かすことにあります。情報を伝えることではなく、聞き手の感情や思考に訴えかけ、深い共感を生み出し、行動へとつなげることが重要です。プレゼン後には、聞き手が受けた情報に対してどのような反応を示すかが、プレゼンテーションの成功を測る指標となります。

プレゼンテーションは単なる情報の伝達ではなく、聞き手の心に響き、聞き手を動かす力を持ったものです。情報を共有するだけでなく、共感を生むことで、プレゼンテーションはより意義深く、持続的な影響をもたらします。最終的には、聞き手がプレゼンテーションを聞き終えた後に考え、行動に移すことが期待されるのです。

オバマ元大統領の演説からみる、自分事化の重要性

情報をただ伝えるだけではなく、相手の未来にどのような変化がもたらされるかを意識的に伝えることで、相手は自分事として関心を抱きやすくなります。主語を「あなた」に置いて、相手に具体的なイメージを持たせることが重要です。

「私は」「うちの製品は」といった主語ばかりが話されているプレゼンテーションは、一方的な情報伝達となりがちです。「あなたは」と呼び掛けられると、自然と当事者意識を持ってきくことができるようになります。自分事として、プレゼンテーションを聞くので理解促進、行動促進が期待されます。聞き手を主語にするために、「あなた」を使うことも意識しましょう。「今、めんどくさいなと感じているあなた・・・」「あなたの生活が変わります」などと、「あなた」を具体的に示し、呼びかけます。

オバマ大統領の演説

「Yes, we can. Yes, we did. 」アメリカのオバマ元大統領の演説。
オバマ元大統領の演説で特徴的なのは、「I」ではなく「We」を使っていることです。聞き手に当事者意識を持たせ、プレゼンテーションの中に引き込みます。個人のリーダーシップが問われる大統領選挙で、「We」、「оur」、「us」、「ourselves」といった言葉を巧みに用いて、有権者の当事者意識に繋げました。
「私たちはこれから○○に進みます」というように聞き手に当事者意識を醸成するように話しましょう。
コミュニケーションの場において、「同じ仲間」であることを意識させることも、プレゼンテーションを成功に導く重要な要素です。

まとめ:プレゼンテーションの本来の目的を忘れずに

プレゼンテーションの本来の目的は、一方的な情報の伝達ではなく、相手に共感を与え、行動に結びつけることです。製品の利用促進、購入促進、他者への情報発信など具体的な行動への繋げることが目的です。
本来の目的を確認した上で、何を伝えればいいのか、どのように伝えればいいのかを慎重に組み立てていきましょう。プレゼンテーションを成功に導くためには、内容や資料作りに入る前に、プレゼンの目的に焦点を当てて十分に考慮することが大切です。


「プレゼンって台本必要?」「どうすればうまく話せるの?」など、プレゼンに関する記事は下記にてご紹介しております。

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