人生にifはない/ハタデザ!ぶっちゃけnight

今回は「人生にifはない」ということをテーマとして取り上げます。過去に後悔があり、やり直したいと考える人の心理と、過去の「解釈」を変えることで今現在や未来に向き合っていく方法について議論しています。

ぶっちゃけnightとは

働き方トレーナー・峠 健太郎、プロ雑用・小林 信也が、働くということの本質について語る番組です。

小林
小林

今日は「人生にifはない」というテーマで話していきます。

峠

「働き方」を超えたテーマですね。

目次

タイムリープ願望

小林
小林

よくある話だと思いますが、特に僕らみたいな中年に差し掛かった人たちが集まると、高校生に戻ったら何をしたいかという話題になることがあります。

峠

今の知識量でその頃に戻りたいという話はよく聞きますね。

小林
小林

気持ちはわからなくもないですが、僕はそのような話があまり好きじゃありません。

なぜ戻りたいかを聞いてみると、「今の知識を持った状態で過去に戻ったら、もっとうまく生きられた」や「あの時に受験勉強を頑張っておけばよかった」などという理由が多いです。

小林
小林

物語では、転生ものやタイムリープものなどが多くあります。

ちょっと前に連載が終了しましたが、『東京リベンジャーズ』もタイムリープものですよね。そういう物語の影響もあるかもしれないですね。

小林
小林

『東京リベンジャーズ』ですごく上手だなと思ったのは、1回のタイムリープだけだと全然うまくいかないことです。過去に戻っても現代に進んでも辛いことばっかりなんです。

今回もダメだったと何回も挑戦して最終的には大団円になりますが、過去を改変することができるとしても相当大変だろうと思いますね。

過去に戻りたい理由

小林
小林

いろんな人に話を聞くと、過去に戻りたい理由は、根本に後悔があって、結果がわかった状態でそれを修正するために過去に移動したいということのようです。

小林
小林

それは、答えありきの思考だと思います。

あらゆるものごとには正解があるという思考だからこそ、そういう発想になるのかなと。

小林
小林

算数の問題のように確定した答えがあって、過去に自分は正解を導き出せなかったから今度こそ正解したいという思いがあるんだろうと感じます。

小林
小林

けれど、今の知識がある状態で過去に戻れたとしても自分は自分なわけですよ。

正解だと思った道を選んだとしても、本当に正解になっているのかは現代に戻ってみないとわからないですよね。

峠

僕も本当にそう思います。

今の知識を持ったまま過去に戻っても、絶対1日中ゲームをやって親に怒られると思います。

小林
小林

今の知識を持ったまま過去を過ごしていたら、違う自分になっているって思うかもしれませんが、過去に戻っても自分は自分ですよね。

僕はサボりたがりだから、学生時代に戻ったとしても大人になるまでまだ時間があるから遊ぼうって考えると思います。

小林
小林

その誘惑に抗えるほど固い信念を持っているのであれば、そもそも後悔はしていないんじゃないでしょうか。

峠

むしろ知識があるからこそ、過去に断った遊びの誘いにのってしまいそうですね。

小林
小林

要するに、後悔しているポイントは1つじゃないはずなんです。

いくつもあって、それを全部取り戻そうとすると、結果的に巡り巡って同じところに行き着きそうだというのが僕の感覚です。

後悔は思い込みと自己否定

小林
小林

結局のところ、後悔とは何なのでしょうか。

さっきも言ったように、ものごとには正解があるんじゃないかと思い込むことが要因の1つとしてあると思います。

それから、後悔そのものというのは何なのかという問題もあります。

後悔は、自分だったらもっと出来ていたんじゃないかとか、今の自分はこんなはずじゃなかったと思っている状態です。

過去に後悔するポイントがあるということは、今も継続して後悔しているということです。

今の自分の人生は本当の人生じゃないと、無意識に思い込んでいるんです。

峠

いわゆる「もっといい会社」に行けたはずだとかそういう思いですね。

小林
小林

それは結局のところ、今現在の自分に対する自己否定ですよね。

加えて、正解があるんじゃないかという思い込み。この2つが、過去に戻れば解決するという幻想に陥る大きな要因だと思います。

小林
小林

僕にはこういった思想は全くありません。

こう言うと、すごく恵まれて優秀な人生を送ってきたからだと思われることがありますが、そんなことはなく、学校の成績表には3ばかりでした。

この話を人にすると、なぜ後悔しないのかと聞かれます。

それには、僕は僕だし、何かを取り戻したいとは思っていないからだとこたえます。

さっきの考え方とは逆で、僕は自己否定する代わりに強烈な自己肯定感を持っているのと、この世界に正解はないと思っているから何も後悔しようがないんです。

連続する過去によって今がある

峠

今の知識を持ったまま過去に戻ったらある面で優位に立てるのかもしれません。

けれど、そうなっても、結局周りの人との付き合いが上手くできなかったりするのではないかと思います。

今の知識を持って小学校6年生に戻ってしまったら、周りの友人が低レベルなことを言っているように感じますよね。

自分の体も頭についてこないだろうし、絶対楽しくないだろうと思います。

それから、もしやり直すなら、最近知り合った人との繋がりはなくなりますし、また環境づくりや関係づくりからやり直すのは手間がかかります。

峠

そうなると、やはり今を楽しむことに時間を使ったほうが絶対いいなと思います。だから僕も過去に戻りたいとは思いません。

小林
小林

「人生というのは選択の連続である」っていう言葉がありますよね。

選択をした時には、選ばなかった道に対して後悔をすることがありますが、それは、惜しいという思いや、もっとできたんじゃないかという感情ですよね。

でもそれだと、過去にしてきた全ての選択がつながって存在する「今の自分」を全否定しています。

峠さんもおっしゃっていましたが、過去から現在へのつながりはあなたにとって無意味なものでしょうか。

やり直した先には別の後悔がある

小林
小林

進学や就職での失敗があったとしても、それが今の自分を作っています。

もし過去をやり直せたとしても、別の道を選んだら、新しい人生でまた別の後悔が出てきます。

どれだけ過去を修正できたとしても、新たな後悔は避けられません。

峠

本当にそうですね。もっと大きな後悔が襲ってくる可能性もあると思います。

小林
小林

人生はこれまで出会ってきたすべての人やものごとと自分による集大成なんですよ。

今の自分を変えたいかと問うと、多くの人は「自分は自分でいたい」と答えます。しかし、過去に後悔した選択を変えたら、今とは別の人になってしまう。それは避けられません。

過去をやり直すことでよりランクを上げたいとか、違う人生を送りたいと思ってそれが実現したとしても、永遠に後悔が続く地獄なのではないでしょうか。

峠

登っているつもりが落ちていたというような感じですね。

小林
小林

知れば知るほど選択できなくなることがあります。

仮に、ある後悔をなくすために何回も過去を繰り返しているとします。多くの選択肢と選んだ場合のさまざまなルートが見えているが故に、かえって選択できなくなることがあると思うんです。

小林
小林

そういうジレンマに陥った時に、「正解」が存在すると信じている人たちは、何を選べばいいのかわからなくなると思います。

峠

そうですね。でもその人たちには、これまで選択肢の中から自分を選んでくれた人がたくさんいるわけです。

話しましょう、一緒に仕事をしましょう、あなたを採用しますと言ってきてくれた人がいるのです。今の自分を否定するというのはある種無責任ですよね。

感謝の気持ちが足りないようにも思えます。

小林
小林

そう考えると、あの時こうしておけばよかったと思い続ける人生は楽しいのかなと疑問に思います。

峠

そうですね、全力で遊んでいる子供たちは、有益なことをしているわけではないですが、一切の後悔なく遊んでいますね。

大人も一緒で、楽しそうにしている人からはそういう考えをまず聞かないですね。

後悔と反省

小林
小林

僕は後悔と反省は全然違うものだと思います。

後悔は過去に思いを馳せることで、未来を見ていない後ろ向きな作業です。

反省というのは、未来に思考が向いています。

「あの時こういう失敗をしなければよかった」「じゃあ次はどうするか」と考えます。未来思考なんです。

峠

わかります。かつて恥ずかしい思いをした出来事を、恥ずかしいままで終わらせるというのはひとつの後悔だと思います。

僕は、恥ずかしかったことはトークのネタにしてしまえば、笑いが生み出せると考えるんです。これも未来思考なんじゃないかと思いました。

峠

過去をどう扱うかですよね。客観的な事実として捉えればいくらでも使い方があって、自分の経験値とすることもできます。

過去の「解釈」を変える

小林
小林

未来を変えられる可能性は多かれ少なかれあります。でも、残念ながら過去の事実は変えることができない。

後悔云々っていうのはその人の解釈の話であって、事実とはちがいます。

ならばその解釈を変えれば、これからの人生がより良くなるのではないでしょうか。

峠

解釈が変われば後悔ではなくなるから、その時に戻りたいという気持ちはなくなりますね。

小林
小林

過去に学ぶか、過去を後悔するかというのは似ているようで全然違う話です。だからこそ「人生にifはない」。言い換えれば、人生に正解はないんです。

小林
小林

もしifを考えるんだったら、未来についてのifを考えるといいですよね。

峠

今回は、無駄だとわかってはいてもつい考えてしまう「過去をやり直すこと」についての話でした。

掘り下げて考え言語化していくことで、改めて過去ではなく未来に向き合うことが重要だと腑に落ちました。

小林
小林

皆さんも過去を後悔せず、今と未来を考えてみたらいかがでしょうか。

【第120夜/人生にifはない】ハタデザ!ぶっちゃけnight
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