中小企業のDXを加速する「ノーコード」とは?うちの会社でも導入できる?
これからDX(デジタルトランスフォーメーション)、IT活用を進めていきたいとお考えの中小企業の皆さまにぜひ活用していただきたいのが「ノーコードツール」です。
ノーコードツールを使えば、IT人材がいない、ITリテラシーが低いといったお悩みをお持ちの企業様でも今すぐ業務改善のためのデジタル化を実現することが可能です。
ノーコードとは
「ノーコード」とは、プログラミングをすることなく、アプリケーションやウェブサイトなどを開発するための手法です。つまり、コーディングやプログラミングの知識・スキルを持っていない人でも、ノーコードツールを使えば、自分のイメージするアプリやウェブサイトを作ることができます。
これまでは「IT人材」と言われるような専門的な知識を持つ人がいないと実現できなかったアイデアも、ノーコードツールを使うことによって簡単に実現することができるようになりました。
具体的な操作方法は使用するツールによって異なりますが、
・ドラッグ&ドロップ
・選択式の設定画面
・カスタマイズ
など、分かりやすくシンプルな操作で、動かせることも特徴的です。
はじめに理解しておくべき、ノーコードツールのデメリット
本記事では特に中小企業の皆さまに向けて、ノーコードツールの活用を推奨します。とはいえノーコードツールも万能ではありません。予めそのデメリットをしっかりと理解した上で、うまく活用をしてください。
デメリット① 機能・カスタマイズの限界
ノーコードツールは、コーディングを必要としない反面、提供されている機能に制限があります。テンプレートにして選択肢を狭めることで、簡単な操作を実現しているからです。
そのため、自社に合わせて細かくカスタマイズしたり、高度な機能を実現することはできない可能性があります。
ノーコードツールを導入する場合には、「何を実現したいのか?」を明確にした上で、対象のツールでそれが可能であるかをしっかりと確認するようにしてください。
デメリット② セキュリティの問題
ノーコードツールを使用する場合、データ漏洩や攻撃のリスクも念頭に入れておく必要があります。こうしたリスクはノーコードツール以外の場面でもつきものですが、どういうリスクがあり得るのかを考えておきましょう。とくに利用者の多いツールは、それだけ攻撃対象として狙われる確率も上がります。
(もちろんツール提供各社はセキュリティ面を非常に重視していますので、自社のサーバーでセキュリティ対策を何もやっていないというような企業様の場合、クラウドのノーコードツールを使用したほうが安全であるケースもあります。)
デメリット③ 開発・販売元への依存
自社開発以外のサービスの場合、開発・販売元がその提供を止めてしまった場合、その機能が一切使えないという事態に陥ってしまいます。データや必要な業務フローも全て同じところに格納されているケースも多く、他社サービスへの乗り換えも困難です。
サブスクリプション(月額課金)型のツールの場合、ツールを使いつづけるためには費用を支払い続けなければいけません。仮に一方的な値上げがあったとしてもサービスを継続するためには受け入れるしかありません。
特定の開発・販売元へ依存している状態は、何かあったときに業務が全てストップしてしまうというリスクがあるとも言えます。
ノーコード開発が中小企業におすすめの理由
さて、デメリットの列記で少し尻込みをしてしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、こうしたデメリット・リスクをふまえても、ノーコードツールは非常に有効です。専門知識やスキルを必要としないため、これまでDXとは縁遠かった中小企業にとっても、ノーコードツールの普及は大きなチャンスです。
私たちがノーコードツールの活用を中小企業の方々におススメしている理由には、次の3つがあります。
ノーコードツールがおススメな理由① IT人材がいなくてもアプリを作れる
ノーコードツールは、ドラッグ&ドロップでパーツをはめ込むだけでウェブサイトがつくれたり、シンプルな管理画面で直感的に操作するだけでビジネスアプリが作れたりと、非常に簡単であることが特徴です。パソコンでwordやパワーポイントが普通に使える程度のパソコンスキルを備えている人であれば、あっという間に使いこなせるようになります。「うちの会社はアナログだから」と諦めていたことも、簡単に実現できるチャンスがあります。
ノーコードツールがおススメな理由② 現場に合わせて修正・改善が自社でできる
操作が簡単だからこその大きなメリットが、自社内で修正・改善が簡単にできることです。社内にプログラミングができる人材がいなくても、外注で自社専用のシステムなどをつくることはできます。ただしその場合、事前に綿密にヒアリングをしないと現場の人にとって使いやすいものにはなりませんし、使い出してから「もっとこうしたい」「変更したい」と思っても、追加の費用を請求されたりとなかなか自由に修正をすることができません。
ノーコードツールであれば、現場の人々が本当に使いやすく、生産性が上がるようなカタチにブラッシュアップしていくことができます。
ノーコードツールがおススメな理由③ 時間とコストの大幅な節約
システムやアプリケーションの開発、ウェブサイトの作成などを外部に委託する場合、大きなコストがかかります。例えば一般的なウェブサイトを作りたいと思った場合、外注費は50万円~300万円ほど。ノーコードのサイト制作サービスを使えば、無料~月額3000円ほどで作ることができます。また、ゼロからコーディングせず、ドラッグ&ドロップで作業が完了するため、開発時間も大幅に削減できます。「こんなことをやってみたい」と思った時にすぐにカタチにできることもノーコードツールの大きな特徴です。
これまでアナログ一辺倒だったという企業様でも、ノーコードツールで初めの一歩を切ることで、本格的なデジタル化に向かって動いていくという事例もあります。
ノーコードツールって例えばどんなものがある?
ノーコードツールは特定の目的に特化しているものが多く、たくさんの種類があります。例えば、誰でも簡単にお問合せフォームやアンケートを作れる「Google Form」や、設計や開発の知識がなくてもウェブサイトが制作できる「WIX」などのサービスもノーコードツールの一種です。
他の例もご紹介します。
AppSheet
Googleが提供するノーコードツールの一つです。スプレッドシートをデータベースとして活用し、様々なビジネスアプリを作ることができます。顧客管理やアンケート調査などその活用の幅は広く、スプレッドシートを基にしているため、カスタマイズが自由にできることも特徴です。(月額5$~/人)
Zaiper
複数のクラウドサービスを連携させるためのノーコードツールです。以前は複数のサービス間でデータのやり取りを行う場合にはプログラミングの知識が必要でしたが、Zaiperを使えば、管理画面の指示に従って必要な情報を入力するだけで簡単に連携ができます。例えば、Gmailで受け取った請求書のPDFファイルを、自動でGoogleドライブに保存する、なども可能です。
kintone
サイボウズ社が提供するkintoneはビジネスアプリケーション開発のためのノーコード/ローコード プラットフォームです。様々なテンプレートが用意されており、それをベースにカスタマイズをすることで自社にあわせたアプリ開発を簡単に行うことができます。また、ノーコードでの作成も可能ですが、ローコード(一部をプログラミングしてカスタマイズする)にも対応しており、より柔軟性・拡張性に優れています。
ここに挙げたものはあくまで一例です。自社の状態や「何をやりたいか?」に合わせて、最適なツールをお選びください。
ノーコードツールを活用するにあたっての、最適な社内人材とは?
誰でも簡単にアプリケーションやウェブサイトを作ることができるノーコードツール。どんなツールを導入するかも重要ですが、業務改善やDX推進を効果的に進めていこうと考えるのであれば、「誰を担当につけるか」も見落とせない観点です。
ノーコードツールを使用するという前提にたったとき、担当者には次のような職能が求められます。
①業務フローの全体像を理解し、問題発見ができる
ノーコードツールを使えば、プログラミングの知識がなくてもビジネスアプリケーションを作ることができますが、その簡単さから無駄なアプリが乱立しやすいという側面もあります。業務の全体像が見えていない人が担うと、部分最適のアプリやサービスが増え、効率が悪くなる可能性があります。
②IT、パソコンの基礎スキルがある
誰でも簡単に触れるとはいえ、ITやパソコンについて極端な苦手意識を持っている人では、うまく活用することはできません。wordやexcel、パワーポイントなどが当たり前に使えるくらいの知識とスキルは備えていることが望ましいです。
③コミュニケーション能力
どれだけ便利なアプリも、使われなければ意味がありません。営業部や総務部などさまざまな部門の人と連携して、導入を推進していくためには、高いコミュニケーション能力と、皆を納得させるだけのプレゼンテーション能力が求められます。
ノーコードツールの導入なら、ハタトレにご相談ください!
MOVEDがご提供する「伴走型」業務改善トレーニングの『ハタトレ』では、ノーコードツールの導入ももちろんサポートしております。
初期費用も低く、導入のハードルが低いノーコードツールですが、
「どれを選べばいいのか分からない」
「自社で活用できるのかイメージが湧いていない」
「社内の担当者育成からはじめないとけない」
といったお声も頂戴します。
一社一社に合わせて、お客様の課題に寄り添い伴走する『ハタトレ』では、導入~社内での活用までをサポートし、最終的にはお客様が社内で課題解決できる状態をつくっていくことを目指しています。
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これまでDXとは無縁だったけど、何か始めてみたいという方は、ぜひ一度お問合せくださいませ。