人は見られているけど見られていない/ハタデザ!ぶっちゃけnight 

この記事では「 人から見られていること・いないこと 」をテーマに、どんなことが相手の印象に残りやすいのか、また、人目を気にしている自分は他者を見ているのか、といった問題にまで広げて議論します。

ぶっちゃけnightとは
働き方トレーナー・峠 健太郎、プロ雑用・小林 信也が、働くということの本質について語る番組です。

今回のテーマは「 人は見られているけど見られていない 」です。

私の実体験があるので紹介します。

前職でもkintoneなどで業務改善をしていたのですが、人からあまり気にしてもらえないことがありました。
自分では「 すごいアプリを作ったからみんなが使ってくれるはず 」と思っていましたが、全員は自分の業務があり、それ以外のところには目が向けられませんでした。
自分はすごくいいものを作ったと、少し自意識過剰になっていた部分もあると思います。
これは自分が思うほどは見られていなかったという話です。

しかし、そのようなツールを使った事例を発信していたら、「 Cybozu Days 」というサイボウズ社主催のイベントから登壇のオファーがきました。

イベントに登壇したいと思っていたわけではありませんでしたが、これは予期せぬところで見てもらえたという話です。

その後、今のMOVEDという会社にジョインしました。
MOVEDはフルリモートなので、基本的にはチャットでのやり取りです。
なので反応が少しわかりづらくて、最初は自分の話がウケないと思っていたんです。
でも、ありがたいことに面白い人だと評価をいただくこともあって、ここでも直接的な反応に関わらず、見られていたんだなと思いましたね。


自分の中ではスベったなと思う回数の方が明らかに多くて、恥をかいたと思っていたのですが、ウケたところだけを印象に残してもらったようです。
もし、スベッたところまで全部見られていたら、どちらかというと面白くない人と評価されますよね。

自己認識と、周りから見られているところと見られてないところのギャップはよくあります。
お客さんと接する時も、自分で意識しているほどは見られていません。

けれど、まったく見られていないわけではなく、多少は見られているという感覚でいるのがちょうどいいと最近は思っています。

目次

見られていないと思った努力は見られている

努力をしていても常に評価されるわけでもないですし、社会人になれば「 仕事は結果が全てだ 」と言われることもあるのですが、結果を出すには努力が必要ですよね。

10まで努力しても評価されないこともありますが、落ち込んで諦めてしまうのはもったいないです。
100まで努力すれば、結果が出る手前でもう評価され始めると思います。

見られていないと思ったとしても、やっぱり誰かがどこかで見ているんです。
だから評価されたければ見られるまで努力をしないといけないんだと気づきました。

小林

そうですね。
今の話には3つの要素があると思います。

1. 自分という存在の見られ方の話
2. 評価の話
3. アプリのマーケティングの話

おっしゃる通り、人は他人のことをそんなに見ていないことが多いですよね。

でも、見られているところもあります。
この点は「 評価 」に関連しています。

評価は、信頼とは違って一瞬で下されるものなんですよね。
例えば、スポーツでボールがゴールに入るかどうかといったことが評価になります。

マイナス面の方が印象に残る

小林

見られている見られていないという話がありましたが、人間の認知の中で他人に対して何が最も印象に残るかというと、マイナスの側面なんです。

その場で楽しかったことは、次の日には忘れられてしまいます。
でも、不快にさせられたことは記憶にずっと残るんです。

だから、見られていないと思って失礼な振る舞いをして相手を不快にさせると、相手の記憶にしっかり残るんです。
マイナス感情の方が記憶に残るということですね。

自分の足りないところを把握する

小林

以前、小さめの会社で働いていた時、私は毎朝早い時間にオフィスに出社していました。エントランスの掃除などをするためです。

なぜそうしていたのかというと、大手のお客さんが商談に来たりしたときに、エントランスが汚いとその瞬間にマイナス評価をされてしまうからです。
「 全然行き届いていないな 」と不信感を与えてしまいます。
それ以外の対応がどれだけ良かったとしても、人間はそういうところで簡単に評価を下してしまいます。

服装などもそうですね。いくら言葉遣いが良くても服装や髪型などが崩れているとマイナスの評価に繋がります。

小林

人は第一印象で決まると言われますが、不信感が印象に残りやすいんですよね。

自分が見て欲しいところは見てもらえなくて、自分が見て欲しくないところは注目されてしまうということはありますね。

小林

自分のアウトプットを強化する以上に、自分の行き届いてないところを把握しようとするのが重要です。

自分でも気づいていない癖が見られていることもあります。
他人からするとその癖が不快になる場合もあるので、見られているということを意識するだけでもだいぶ違うと思います。

また、関係性も重要です。
関係性が深い人たちだったら、他人から不快に思われる癖も許容してくれます。
でも、全然知らない人からしたら、不快に思われてしまう可能性があります。

後から「 あの人にはいいところもあるんだよ 」とフォローがあっても、そんなの知らないと返されるかもしれません。

小林

人間は自分が見たものや聞いたことが全てなので、よくない側面を最初に見てしまうとマイナスな印象になるんですよ

いつも変わらないことが信頼関係をつくる

第一印象が重要だからと、最初に普段の自分以上のものを出す人もいます。

最初にいつも以上に整えて、2回目以降は普段通りだったらそれだけで評価が落ちますよね。

常にいつも通りでいることはすごく難しいと思いますね。

小林

当たり前のことを当たり前にやることが一番難しいですよね。
それを裏表なく実行できるかというところが人間としての信頼の積み上げで、マイナス評価を受けないもっとも重要なポイントだと思います。

相手が求めているものかを考える

小林

冒頭で出た、自分がいいと思って作ったアプリがなぜ使われないのかというアプリの件ですが、これまでの文脈とは少し違っていて、あれはマーケティングの話だと思います。

専門用語でいうとプロダクトアウトとマーケットインの違いです。

プロダクトアウトは、簡単にいうと自分の技術ありきで商品を作ってそれを世に出すことです。
マーケットインは、自分たちの技術ではなく、顧客が求めているものを提供するという考え方です。

Kintoneのアプリでも何でも、社内の普及に失敗するパターンの第一位はプロダクトアウトでものを作ることなんです。

なるほど、それをやっていました。
こんなに機能を追加してバッチリだ! という感じでした。

けれど、社内にうまく広がっていきませんでしたね。

小林

「 こんなに便利なのに何で使われないんだろう 」という状況になったときは、カスタマーを見られていないことが多いですね。
プロダクトアウトでつくられた商品が刺さるのは、まだ世の中にない価値を届けるときです。
ただ、これもユーザーが気づいていないニーズに焦点を合わせて作るので、自分たちの都合だけでつくることとは少し違います。

社内アプリなども、このマーケティングの考え方と全く同じです。
社内で広げるためにはカスタマーファーストになる必要があります。

たしかに、当時の私は全く考えていませんでした。

その頃、アプリを社内の人に見せてもあまり使ってくれなかったんです。
でもそれは、私が社内の人を見ていなかったということですね。

自分の見られ方に囚われがちですが、自分自身も人のことを見ているつもりで見ていないのかもしれませんね。

人目を気にする人が見ているのは自分

小林

人目をすごく気にする人について、なぜ気にするのかを紐解いていくと、結局他人ではなくて自分を見ているんです。
仮想の他人の目を通して自分の話をしているんです。

我々の事業のプレゼン部では、よく「 話すのではなく伝えましょう 」と言うんですが、伝えないと伝わりません。

そして、伝えたければ相手に響くように伝えなければなりません。
相手ありきでそこにどう対応するかということです。

これを聞いて過去の自分を考えると、相手を見ているつもりで、相手に見られている自分しか見ていなかったと感じますね。

小林

誰しもそのような失敗はあると思いますが、何事も相手ありきで物事が進みます。

相手にどう見られるかを気にするのなら、相手は何を求めて自分と関係性を結ぼうとしているのかを考えてみましょう。
「 相手の気持ちを考えましょう 」といいますよね。でも、簡単なようでものすごく難しいです。

さっきも言いましたが、当たり前のことを当たり前にするのって難しいですよね。

しかもそれを継続するのは本当に難しいと思います。
少しでも実践できるといいですね。

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