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電子契約導入~メリットデメリット、用語をわかりやすく解説~

2020.10.03|業務改善支援

kintone 業務改善

電子契約導入~メリットデメリット、用語をわかりやすく解説~

新型コロナウイルス感染症の拡大。
緊急事態宣言下においても契約書や稟議書等への押印のために出社を余儀なくされる場合も。

在宅勤務・テレワークの障害となる押印の商慣習。
従業員と取引先の健康面での安全を守る観点のみならず、業務効率化のためにも紙への押印による契約を全面的に電子契約に移行する企業が増えています。

印鑑廃止・脱はんこの取り組み。みなさまの会社では進んでいるでしょうか。
実は電子契約システムを導入することで、脱はんこはもちろんのこと、電子データの整理や共有化も可能となりペーパーレス化が実現できます。

電子印鑑、電子サイン、電子署名とは

契約

従来、合意内容を証拠として残すため、紙に印鑑で押印して取り交わされていた契約書。
この契約書に代わり、電子データに電子署名をすることで、書面による契約と同様の証拠力を認められるのが電子契約です。

テレワークの推進に伴い、インターネットを通じてやり取りする電子契約が増えています。
紙での契約を電子化する。電子化に関連するワードである、電子印鑑、電子サイン、電子署名、についてみていきます。

電子印鑑とは

電子印鑑とは、印影を画像化したもの。PDFやExcelなどで作成されたパソコン上の電子文書へ捺印できるデータのことを指します。

電子印鑑には以下の2つのタイプがあります。
①印影を画像化した電子印鑑
②印影データに作成者・使用者・タイムスタンプなどの情報を保存した電子印鑑
そもそも文書に印鑑を押すのは、印鑑を押すことにより、当事者の契約に対する確定的、終局的な意思表示のためです。

アメリカやヨーロッパにおいて、はんこを使うことはほぼありません。書類や契約書を承諾をした際にはサインを書きます。
サインも真似をして他人が書くことも可能です。それを防ぐために、重要な契約書や書類には、公証人であるノータリー・パブリック(Notary Public)と呼ばれライセンスを持った人による書類の公証が必要となります。

一方、日本においてはサインよりも印鑑に重きを置いています。
日本では契約書や請求書に印鑑を押印するケースが一般的です。
法律上、押印が実印(会社の場合は代表者印)でなくても、契約は有効に成立します。 そもそも、特定の種類の契約を除き、口頭の合意だけで契約は成立します。実印もそれ以外の印鑑も、法律上の扱いは一緒です。

あくまで商習慣上の話ですが、法的に認められた印鑑が押印されていることで「正しい請求書」としての信憑性が高まる効果があります。

kintone(※詳細後述あり)では、連携サービスであるプリントクリエイター(※詳細後述あり)を用いて、電子印鑑を押した状態の帳票を簡単に出力することができます。

※kintone…ノンプログラミングでビジネスアプリを開発・作成できるクラウドサービス
※プリントクリエイター…kintoneアプリに登録されたデータを利用して、きれいに帳票印刷をするためのサービス

電子サインとは

電子サインとは、契約書などの書面における手書き署名の代わりとして、電子文書やフォーム上に承諾の意を示すためのものを指します。
電子文書への手書きサインだけでなく、意思表示のために音声を録音し電子上に残し記録した音声も電子サインとなります。

身近な例でいうと、買い物の決済時に、タブレットやスマートフォンへタッチペンや手書きでサインするといったものが電子サインです。銀行の窓口業務やクレジットカードを利用、契約を結ぶ、申し込みや手続きを行うといった時に活用されています。
このように電子サインは、契約といった場面に限らず、サインが求められる場面で用いられています。

電子署名とは

電子署名は、電子サインの1種となります。

電子印鑑や電子サイン、捺印やサインのなりすましや改ざんといった不正利用が懸念されます。電子データが本人によって作成されたこと、改ざんされていないことを保証する技術が電子署名です。
2001年4月1日から施行された「電子署名法」。電子署名が紙の契約書と同等の法的効力をもつことが定められています。

電子署名では本人であることを証明するため、第三者機関である電子認証局が発行する電子証明書とタイムスタンプを利用します。

電子証明書とは信頼できる第三者(認証局)が間違いなく本人であることを電子的に証明するものです。紙での契約における印鑑証明書に代わるものといえます。
身近な例でいうと、マイナンバーカードには署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書の2種類の電子証明書が標準搭載されています。

タイムスタンプとは電子データがある時刻に確実に存在していたこと、を証明するものです。
紙文書の場合、郵便物に対して押される「通信日付印」が日付の証明として用いられることと同じ考え方です。

kintoneでは、連携サービスであるクラウドサイン(※詳細後述あり)やDocuSign(※詳細後述あり)、OPROARTS Connector for kintone(※詳細後述あり)、D3W Connector for kintone(※詳細後述あり)を組み合わせることで、電子文書への電子署名 、タイムスタンプの付与ができます。契約書作成から締結、契約書管理までの電子化が可能となります。

※クラウドサイン…クラウド上で契約締結ができるサービス
※DocuSign…署名する書類の交換と署名、捺印がクラウド上で行えるクラウドシステム
※OPROARTS Connector for kintone…OPROARTSと連携して、 kintoneからの帳票出力を実現するkintoneアプリ
※D3W Connector for kintone…WebAPI経由で膨大なシステムデータから様々なサービスへの連携を自動化

電子契約を行うメリットとは

電子契約のメリットについて、詳しくご紹介します。

テレワークをする女性

1.業務を効率化できる

紙と押印で契約する場合、以下の作業が最低でも必要です。

  • 印刷・製本・押印・収入印紙の貼付け
  • 書類を印刷
  • 郵送もしくは持参で相手方に送付
  • 書庫等での保存

※押印等で不備があった場合は再度やり直し
テレワークや在宅勤務での契約事務処理が可能となる、検索性が高いため、必要性が高まっています。

2.コスト削減

印刷するための紙代、プリンタのトナー、印紙税、送料、保管コスト。紙での契約書作成作業が多い場合かなりの負荷となります。
また、押印後の文書について、控えを保存する必要がある場合はコピー代、紙代、ファイル代、さらには保管するためのキャビネットの用意といった什器コストもかかります。

電子文書であれば、サーバーでのデータでの保管になります。サーバーやバックアップのための費用は必要ですが、保管のための場所は不要です。

膨大な書類の中から必要なものを探すのは大変な手間と時間がかかります。長い目で見ると、書類を探す人の人件費も節約にもつながります。

3.コンプライアンス強化

紙による契約の締結では、書面の内容を改ざん・偽造を悪意をもった何者かが行った場合、法的に無効であることを証明するためには多大な労力や時間、そして費用がかかります。
電子契約の場合には、誰かが改ざんしようとしたとしても、改ざんが記録として残ります。また、その電子署名により本人のものであること、誰にも改ざんされていないことを証明することができます。

紙媒体の契約書は原本を保存しなければならず、一旦紙で交わした契約書をスキャンして電子化して保管していたとしても、民事訴訟上はコピーとしてしか認められません。電子契約書においては、複製したとしても改ざんはできないため、原本と同じ証拠力を確保することができます。

このように、契約書の不正を防止する処置・対策をしっかりと取ることで、原本の紛失や劣化、改ざん等のリスクが低減できる。コンプライアンスの強化が実現できます。

電子契約を行うデメリット

電子契約のデメリットについて、詳しくご紹介します。

1.理解が必要、導入に手間がかかる

電子契約を導入するということは今までの契約フローに変更が起きます。システムの操作手順などを理解して使ってもらわなくてはなりません。
特に導入される現場では、不安や懸念が先に立ち、新しい仕組みに対して抵抗感が出てしまうことも。
社内向けシステム導入説明会を開催する、システム導入後の業務フローを作るなどして理解を得ることが必要です。

2.電子契約できない契約書もある

定期借地契約(借地借家法22条)
定期建物賃貸借契約(借地借家法38条1項)
投資信託契約の約款(投資信託及び投資法人に関する法律5条)
訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引における書面交付義務(特定商品取引法4条等)

これらは法律上、紙面での交付が義務付けられています。

3.取引先に説明し受け入れてもらう必要がある

電子契約を採用しても、相手方の契約が書面と印鑑による締結でしか認められない場合、電子契約への一元化は不可能です。

普及しつつあるとはいえ、まだまだ仕組みとして取り入れていない、機能できていないところも多く存在します。取引先に事前に説明し、その対応を受け入れてもらう必要があります。

本記事で取り上げた電子契約に関するツール・サービス

kintone単体(標準機能)では帳票出力や電子署名機能は装備されておりません。下記のような連携サービス(プラグイン)を用いることにより、電子印鑑を帳票に押した状態で出力することができるようになります。また、電子署名やタイムスタンプが付与された証拠力のある契約書の作成も可能です。

kintone 開発の知識がなくても自社の業務に合わせたシステムをかんたんに作成できる、サイボウズのクラウドサービスです。かんたんにアプリが作成可能ですが、javascriptやAPIを活用することも可能です。

https://kintone.cybozu.co.jp/

プリントクリエイター kintoneアプリに登録されたデータを利用して、きれいに帳票印刷をするためのサービスです。 現在利用している帳票レイアウトをそのまま利用することができます。

https://pc.kintoneapp.com/

クラウドサイン クラウド上で契約締結ができるサービスです。 アップロードした契約書・発注書などの書類を相手方にメール送信し、相手方が同意することにより、数分で電子契約ができます。

https://www.cloudsign.jp/

DocuSign  署名する書類の交換と署名・捺印をクラウド上で実現する電子署名サービスです。

https://www.docusign.jp/

OPROARTS Connector for kintone  OPROARTSと連携して、kintoneからの帳票出力を実現するkintoneアプリです。Liveで作成した帳票テンプレートとkintone上のデータとのマッピング、帳票出力ボタンの作成までをユーザー自身が簡単に行うことができます。

https://www.opro.net/products/service/OPROARTS/

D3W Connector for kintone D3Worker(ディースリーワーカー)は、WebAPI経由で膨大なシステムデータから様々なサービスへの連携を自動化します。OCRと連携した紙文書のデータ活用や、電子契約サービス連携による法的効力を持たせた文書管理など、柔軟なデータ連携を実現するマルチクラウド基盤として機能しています。

https://www.opro.net/products/service/OPROARTS/d3worker.html

まとめ

テレワークが広まり、文書の電子化が進む今。電子契約についても導入する企業が増えています。

2020年4月から、社会保険の手続きの電子申請が義務化、法人税の電子申告も義務化されています。
契約のみならず、文書の電子化から、電子データの整理・ 共有化する流れ、は今後止められないでしょう。

時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を実現するために。これを機に電子契約を取り入れる、業務改善の推進をおすすめします。


株式会社MOVEDはクラウドサインのご提案、販売することができます。また、プリントクリエイターやgusukuCusomineを使った電子押印システム実装の実績があります。
電子契約導入へのハードルになるであろう現場への理解を得るために、説明会の開催や資料配布といったことも可能。
現場で根付くシステムの構築を支援、業務効率化が進むように伴走させていただきます。

「取引先が電子契約を導入していて驚いている。うちも時代に乗り遅れ無いようにまずは話だけでも聞いてみたいんですが…」そういったご質問でも大丈夫です。
まずはお気軽にお問い合わせください。

電子契約システムの導入事例はこちら▼

INFORMATION

【記事製作者】

鈴木未紗

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