プレゼンで緊張しないためのコツ~図とグラフで分かりやすく解説~

プレゼンテーションとは相手に対する“贈り物“。聞き手が、プレゼンを聞くことでワクワクしてくる、聞いた話をさっそく行動に移したくなる、その話を他の誰かにも教えたくなるといった行動の変化が伴うプレゼンが求められています。そのためにも緊張をせず、相手に分かりやすく伝えることが大切です。

「緊張のあまり頭が真っ白になってしまう」「人の前で話をすると緊張する」など、プレゼンテーションにおける「緊張」の悩みは多くの方が抱えているのではないでしょうか。

今回は、そもそもなぜプレゼンで緊張するのか、またそれらの緊張をどのように克服するか、緊張しないためのコツに関してグラフや図を用いながら分かりやすくご紹介します。

目次

なぜプレゼンで緊張するのか、緊張する原因とは何か

そもそもなぜプレゼンで緊張するのでしょうか。
プレゼンにおける緊張の原因は、大きく分けて3つに分類ができます。これら3つに関して事前に対策をした上でプレゼンに臨めば、冷静に対処することが可能です。

プレゼンテーションに対する緊張

プレゼンの準備・練習不足

緊張の原因として考えられる要因は「準備不足」にあります。

プレゼンテーションで話す内容や資料の確認だけでなく、本番の環境の確認を行うことも必要。ついつい資料づくりに集中してしまいがちですが、実際の環境を想定した上での練習も大切です。ノートパソコン、プレゼンソフト、プロジェクター、リモコンマウスなどプレゼンテーションの際使う機材を実際にセッティングして操作。本番さながらのリハーサルを行うことが自身に繋がり、緊張を小さくすることができるでしょう。これらは機材トラブルへの対策にもなります。

また、プレゼンテーションを行う際には、発表時間(持ち時間)が決まっていることが多いかと思います。例えば、学会発表の場合には、発表時間15分と質疑応答時間5分の計20分といったように時間が決められており、指定された時間内に発表を終えることが求められます。練習の際に、プレゼンにかかる時間を計り、時間内におさめられるように調整しておきましょう。

聞き手の評価を気にしてしまう

プレゼンを行う際、聞き手である同僚や上司、クライアントにどう思われるのか、失敗したくないといった気持ちが緊張に繋がります。

相手に伝えることを行う場であるのに、相手からどう見られているのか、他人の目線にばかり意識が集中してしまう。自分をよく見せたい、相手からよく思われたいという意識からプレッシャーがかかり、必要以上に緊張してしまうでしょう。

本来は相手に伝えること、プレゼンを行うことが目的。決して上手にやる、すらすらとよどみなく話すことが求められているわけではありません。また、聞き手は相手から話(内容)を聞くことを求めており、評価をしているわけではありません。自分へ意識を集中させるのではなく、「相手へ伝えよう」と相手へ意識を向けることが大切です。

聞き手の評価ばかり気になり失敗してはならないと考えすぎることで、逆に失敗するほど緊張に繋がってしまうことがあるのです。

慣れない場の空気感に飲まれてしまう

慣れていないプレゼンの場の空気が緊張へと繋がり、いつもの調子が出せないことも原因の一つ。

プレゼンを行う場に立った途端、人の多さや会場の雰囲気に委縮して緊張してしまう。多くの方が経験されているのではないでしょうか。また普段の変わらないメンバーに話す場面でも、プレゼンを行う場として定められていることで、改まった場としての異空間に緊張を感じてしまうことも。

可能であれば、プレゼンを行う会場を下見してその空間に慣れておきましょう。声に出せずともその場に立って原稿を読むこともできればベストです。オンラインでプレゼンを行う場合には、本番同様のバーチャル背景を設定し、自分の映りを確かめながら練習しておきましょう。会議など改まった場での発表も少し早めに席に着き、一度プレゼンを行うことができるとよいでしょう。そうすることで、実際にプレゼン行う際により気分を落ち着かせることができるはずです。

初めて行く地域や会場、仕事で初めて訪れる会社のように慣れない場面で人は緊張します。その緊張度合いを出来る限り軽減することが大事です。

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実は適度な緊張感はプレゼンに必要なもの

過度な緊張や不安はプレゼンのパフォーマンスを低下させる側面がある一方で、緊張はネガティブなことばかりではありません。あらゆる準備を行ったうえで感じる緊張は、パフォーマンスに必要な緊張感だといえます。

ヤーキーズ・ドットソンの法則

心理学者のロバート・ヤーキーズとJ.D.ドットソンがネズミを用いた実験で発見した「ヤーキーズ・ドットソンの法則」(参考:ヤーキーズ・ドットソンの法則/ウィキペディア)。ヤーキーズとドットソンはネズミを使った学習と電気ショックによる実験を行いました。この実験によると、簡単な課題であれば、電気ショックが強ければパフォーマンスがあがります。一方で難しい課題の場合には、電気ショックが強すぎると学習効果は弱くなることが分かりました。

この実験から、緊張やストレスは低すぎず高すぎない適度な状態にすることで、パフォーマンスが最大となる、ということが分かりました。

プレゼンの場で気が緩みリラックスし過ぎてしまうと、かえって集中力が途切れてしまうことに。適度な緊張は気にせず、「必要なもの」として受け入れて納得することが大切です。

そもそも必要な緊張であると認識することで怖さも和らぎ、場数を踏むことで自然と自信と感覚が見についていきます。

プレゼンでの緊張を克服する方法とは

プレゼンでの適度な緊張は必要。とはいえ過度な緊張はプレゼンのパフォーマンスを低下させてしまいます。この過度な緊張を緩和する方法を5つご紹介します。

失敗を許す、完璧を求めない

プレゼンにいくら慣れている人だとしても、毎回完璧に行うことは難しく、ミスはするものです。

ミスなくプレゼンを行うことができればもちろんいいですが、多少間違えても聞き手には伝わるものです。失敗ばかりを気にしすぎるとすべてが間違っているように思えより緊張を生むことにも。ミスを1つもしないより自信をもって話すことを意識しましょう。

準備をしっかりとする

またプレゼンの事前の準備をしっかりとしておくことも、気持ちをリラックスさせ緊張を和らげる方法です。

何度も練習を繰り返して準備を抜かりなく行っておけば、あれだけ練習したのだからと堂々とプレゼンの場で話すことができるでしょう。 準備不足で自身を追い込むことが内容、準備はしすぎと思えるくらい行うことが大切です。

リハーサルを行う

準備も練習もせずぶっつけ本番でプレゼンに臨めば、誰でも緊張するでしょう。プレゼンで大事なのはリハーサルです。

Appleの共同創業者スティーブ・ジョブズ氏。彼のプレゼンは人々を魅了し、聴く人の印象に残るものでした。彼が新製品発表のプレゼンを行う際には、わずか5分間のプレゼンだったとしても、何週間も前から自社製品の機能や技術について調べ、リハーサルには丸2日間も使ったそうです。

リハーサルは失敗ができる本番、リハーサルでの失敗を本番のより良いプレゼンに繋げることができます。リハーサルも一度だけでなく何度も行いましょう。本番で緊張したとしても、リハーサルをこなすことで体が覚えていれば、口から言葉が自然とでてきます。何度もリハーサルを行ったことが自信にもつながります。

自分自身が伝えることに集中する

「矢印の法則」をうまく利用して意識の方向を変えましょう。

矢印の法則

プレゼンを行う際に、意識が相手からの自分の見え方に向かうと、相手からの評価が気になり緊張に繋がってしまいます。この際の矢印は、「相手→自分」に向かっています。相手を敵とみなしてしまい、恐怖を感じてしまうのです。

「相手→自分」に向かっている矢印を、「自分→相手」に変えてみましょう。自分自身が聞き手に話すことに集中できるようになります。

不安、緊張を外在化させておく

緊張を外在化させておきましょう。外在化とは問題を外側から捉えられるように客観視し、自分の外側にあるものとして対処することで、解決しようとする取り組みです。

緊張すること、不安なことを紙に書き出すことはとても効果的です。頭の中で緊張について考えていても解決には繋がりません。緊張していることを外在化=外に出すことで、脳に空間ができ使いやすくなります。

また、身近な家族や友人、同僚などに、緊張していることついて話すことも外在化させることになります。

まとめ:プレゼンのパフォーマンス向上へ繋げる

プレゼンでなぜ緊張するのか、緊張を克服する方法についてご紹介しました。

ある調査では、「あなたは人前で話す事が好きですか?」という問いに対してなんと84%の方が「苦手」だと回答しています。一方「とても得意」だと感じている方はわずか6%です。緊張も起因のひとつとなっているのではないでしょうか。

プレゼンを行う際に、緊張を感じる人がほとんどです。過度な緊張はパフォーマンスを低下させますが、適度な緊張は必要なものです。必要なものと分かっておくことで、自信が緊張していること自体に悩むことはなくなるでしょう。また、緊張の原因、どうすれば軽減できるのか分かった上でプレゼンに臨むことで、よりよいパフォーマンスに繋がるはずです。

「プレゼンで緊張する」、「プレゼンにおける緊張を軽減したい」とお困りの方にとって参考になれば幸いです。

プレゼン登壇や面接、本番で緊張してきた時の対処法

プレゼンの緊張対策を行い準備もしっかりしていても、プレゼンテーションの最中に緊張してしまうことも。対処法の一つ「矢印の法則」を分かりやすく紹介しています。

プレゼンでの話し方、プレゼン練習に関する記事はこちらにてご紹介しております。

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