「抑揚」をつけて話すには~プレゼンを成功に導くテクニック~
プレゼンテーションは聞き手の理解を得た上で、聞き手に行動をしてもらうことが目的です。行動に繋げるため、伝えたいことを効果的に伝えるためには「抑揚」が重要な役割を果たします。
抑揚を用いることで、声の音程やリズムの変化を通じて、話の要点を強調し、聞き手の興味を惹きつけることにつながります。
いかに優れたプレゼン内容だったとしても、相手に伝わるわけではありません。またプレゼンの最後まで聞き手の興味を維持することも必要です。
プレゼンテーションにおける効果的な「抑揚」について考察してみましょう。今すぐ採り入れられるポイントをご紹介します。
プレゼンにおいて「抑揚」を用いる効果とは
抑揚を用いることで、プレゼンテーションの力強さや魅力を高め、聞き手に内容の共感や感情移入を生み出すことができます。
メリット1.共感を得る
抑揚を通じて、聞き手に自分の言葉に共感する感覚を与えます。話し手と聞き手の共通認識が生まれやすくなり、聞き手は話の内容により深く共感しやすくなります。
メリット2.感情移入が起こる
また、聞き手に話し手の気持ちや想いを体験させる効果があります。話の高低やテンポの違いを用い、熱意や気持ちを伝えることで、聞き手も同じような感情を共有しやすくなり、プレゼンの内容に対する感情移入が生まれます。
メリット3.重要な点の理解に通じる
特定の部分で強調的に抑揚を用い表現することで、その部分の重要性を際立たせることができます。感謝の気持ちや喜び、困難を乗り越えた成果など、その意味や価値を聞き手に伝えやすくなります。
抑揚を使うことで、プレゼンテーションは単なる情報伝達を超えて、聞き手の心に響くものとなります。
プレゼンにおいて「抑揚」を付ける方法とは?
では、プレゼンにおいて「抑揚」をつけて話すには、どのようにすればいいのでしょうか。
今回は具体的に、3つの点をご紹介します。
どれか一つだけでも意識して、プレゼンの中で用いるだけで、一気に聞き手の印象は変わります。
まずはどれか1つ意識して、実践してみましょう。
高低とテンポ(速さ)のバリエーション
まずは、声の高さを変えてみましょう。
重要な部分やキーメッセージを強調する際には、普段よりも声を少し高くすることで、聞き手にその重要性を印象づけることができます。逆に、話している内容の背景や詳細情報を伝える際には、あえて声を低くすることで、落ち着いた印象を与え、信頼感を得ることができます。このように声の高さを変化させることで、聞き手はプレゼンテーションの要点をより明確に理解しやすくなります。
また、話すテンポ(速さ)を変えることも必要です。
常に同じテンポで話すと、聞き手の集中力が途切れてしまう可能性が高まります。重要なポイントや強調したい部分では、少しゆっくりと話すようにしましょう。内容を深く理解する機会を聞き手に提供、ゆっくり話した部分の重要性を伝えることができます。一方で、聞き手を引き込みたい場面や情熱を伝えたい部分では、リズムを速めることで、話し手の気持ちの高まりや情熱を効果的に伝えることができます。
高低とテンポの変化を組み合わせることは、聞き手のプレゼンへの興味を惹きつけるために不可欠な要素です。単調なペースや高低のない話し方では、聞き手の関心を薄れさせる可能性があります。声の高低やテンポの変化を取り入れ、情報の重要性や魅力を強調し、プレゼンテーション全体の印象を向上させることができます。
声の強弱を調整~重要な情報を際立たせる~
声の強弱を調整してみましょう。
強く話す部分、弱く話す部分を使い分けることで、聞き手の関心を引き、重要なアイデアや情報を効果的に強調することができます。
プレゼンテーションの中で特に重要なメッセージやキーポイントを話す場合には、その部分で声を大きくするようにします。大きな声は、聴衆に対して「これが重要だ!」というメッセージを送るだけでなく、聞き手の注目を集めることにも繋がります。
逆に、落ち着いた印象を与えたい場面では、あえて声を弱く小さめに話すことで静かで穏やかな印象をもたらします。また、まるで一対一の会話のような感覚を持つことにも繋がり、相手との距離感がぐっと縮まる演出的な効果もあります。
ただし、小さな声で話す場合でも、聴衆が内容を聞き取りやすい十分な音量が確保されることは必ず必要です。会場の大きさや状況に合わせて声の調整に気を配りつつ、効果的なコミュニケーションを実現しましょう。
声の強弱のコントロールは、相手に伝わるための重要な要素です。適切なタイミングで声の強さを変えることで、聞き手はプレゼンテーションの重要なポイントをしっかりと受け止めることができます。理解度が向上し、プレゼンテーションの効果が高まるでしょう。
間の活用~聞き手の理解と集中を促進~
適切なタイミングで間(一時停止)を採り入れることで、聞き手に内容を理解、吸収する時間をもたらします。情報が連続していると、聞き手の理解が追い付かず、プレゼンへの反応が難しくなることも。適度な間を入れることで、前の情報を整理しながら、次の情報に備えることができます。
また、重要なポイントやキーメッセージを伝える際に、その前に間を入れることも効果的です。そのポイントを強調し、聞き手の関心を高め、後に続くプレゼン内容が印象に残りやすくなります。同時に、緊張感や期待感を高め、聞き手を引き込む効果もあります。
プレゼンにおいて話が切り替わる転換点やクライマックスの部分で間を用いることも有効です。
適切な間を活用することは、聞き手との関係を深める大切な手法です。適度な間を導入することで、プレゼンテーション全体の流れを調整し、聞き手に情報を理解しやすい形で提供することができます。
まとめ:プレゼンでは抑揚を採り入れ、聞き手の理解に繋げる
プレゼンテーションとは、単に内容を伝えるものではなく、聞き手の興味を惹きつけ、内容を深く理解させ、最終的には聞き手に行動を促すことが目的です。抑揚をうまく活用することで、話の要点を効果的に強調し、聞き手の興味を惹くことに繋がります。
声の高さや低さ、テンポの変化を通じて、重要な部分や転換点が理解しやすくなります。抑揚はまた、プレゼンテーションにおいて、聞き手の共感を深め、内容をスムーズに理解させる環境を構築します。
プレゼンテーションにおいて抑揚を採り入れることを意識しましょう。
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