プレゼンにおいて暗記は必須?効率的に暗記する方法とは
プレゼンテーションは、自分の伝えたいことを相手に伝える、コミュニケーションの手段です。聞き手の理解を得たうえで、聞き手に行動してもらうことが目的となります。
プレゼンテーションの「暗記」。プレゼンにおいて、台本を見ながら話すより、何も見ず話す方が正解だと思われている方が多いかと思います。
しかし、「暗記」は必ずしも必須ではありません。暗記が必須ではない理由について、また暗記に頼らずに成功するための具体的な方法についてもご紹介します。
一方で、プレゼンテーションを暗記することにより、話し方や身振り手振りがスムーズかつ自信に満ちたものになることも事実です。暗記によるメリット、また効率的に暗記する方法もご紹介します。
プレゼンテーションにおける本来の目的
プレゼンテーションの本来の目的は、聞き手の理解を得ること、そして行動を促進することです。
頭の中で次に話す内容を考えながら話す様子は、聞き手にも伝わってしまいます。ただ頭の中で文章を読んでいるだけでは、聞き手の理解を得ることができません。また、一言一句間違えずに暗記しようとすると、本番で緊張した場合に真っ白になり、話せなくなる可能性もあります。
暗記は必須ではなく、むしろ自然な対話や聞き手のエンゲージメントを促すためには、暗記を避けることも選択肢として存在します。プロのMCや司会者、アナウンサーでさえ、原稿を手に話すことが多いです。プレゼンテーションの本来の目的を忘れず、原稿を持ちながら話すか、暗記して話すか、それぞれの方法を選択することが大切です。
暗記せずにプレゼンテーションを進める方法
では暗記をせずにどのようにプレゼンを進めていけばいいのか。
相手に伝える、伝わるために、いくつかの方法をご紹介します。
アウトラインの活用

暗記に頼らずにプレゼンテーションを行うために、アウトラインを活用します。アウトラインとは、プレゼンテーションの骨組み。プレゼンテーションにおける基本的な構成やポイントのみを書き出し、それを元にあえて自由な形で話します。
アウトラインのポイントを順番にたどりながら話し、自身の知識や経験に基づいて、話題を展開します。アウトラインを補完するために、スライドやグラフ、図表などを使い、視覚的なサポートも行います。
プレゼンテーション中に聞き手に意見やフィードバックを求めることも有効です。しっかりとした原稿を準備しない、暗記をしない分、柔軟な対応が可能であり、聞き手との対話を楽しみながら、関係をより強固なものにすることができます。自然な対話を重視したプレゼンテーションが実現します。
台本の活用
プレゼンテーション中にスライドや台本を活用することで、暗記に頼らずにプレゼンテーションを進めることができます。この台本は、プレゼンで話す内容をそのまま文字にし、読み上げるために作成するわけではありません。スライドにおける強調したいメッセージや、抑揚や間といったタイミングを記し、相手に伝わりやすいように作成します。

台本を見ながらプレゼンを行う方法を選択したいと思われた方、ぜひ下記記事をご覧いただければと思います。台本を使用するプレゼンテーションについて詳しくまとめております。
練習と準備の重要性
暗記が必須ではないとしても、プレゼンテーションの成功には練習と準備が不可欠です。スムーズかつ自信を持って話すために、プレゼンのフローを練習し、重要なポイントやメッセージを把握しておくことが重要です。
聞き手のニーズや期待に応えるために、プレゼンの目的やターゲットを明確にし、それに合わせて準備を行うことも大切です。
プレゼンテーションの暗記を効率的に行うには
暗記することにより、プレゼンテーションやスピーチにおけるパフォーマンスがスムーズかつ自信に満ちたものになります。また暗記に向けて繰り返し練習することで、よりインパクトに残る表現や効果的なフレーズを見つけ出すことにも繋がります。
暗記が必要な際には、下記の手順に従って練習をしましょう。暗記には時間と労力が必要ですが、それに見合う価値があると言えます。
アウトラインの作成
まず、プレゼンテーションの構造を考え、アウトラインを作成します。主要なセクションやサブポイントを明確にし、それらを順序立てて整理します。このアウトラインは、暗記の際のガイドとなります。
視覚からのアプローチ
視覚的にアプローチすることで、暗記を効率化することができます。
例えば、キーワードやポイントをノートカードに書き出し、それを見ながら暗記する方法や、マインドマップを作成して情報を結びつける方法などがあります。視覚的な手法を使用することで、情報の関連性を理解しやすくなります。
分割して練習
一度に全ての内容を暗記しようとするのではなく、分割して練習することが効果的です。プレゼンテーションを小さなセクションに分割し、それぞれを繰り返し練習します。セクションごとに暗記できたら、それらを組み合わせて全体を暗記していきます。この方法により、情報の量を少なくしながらも効率的に暗記することができます。
録音、アクティブリスニングの活用
暗記するだけでなく、客観的に自身のプレゼンを評価することも重要です。プレゼンテーションの音声を録音し、それを繰り返し再生しながら聴くことで、言葉やフレーズのリズムやイントネーションを把握することができます。

また、他の人との対話形式でプレゼンテーションを行うことも効果的です。信頼できる聞き手にアクティブリスニングでプレゼンテーションを聞いてもらいましょう。
アクティブリスニングとは、「傾聴姿勢」とも呼ばれるコミュニケーション技法のひとつ。聞き手役には高い傾聴スキルや相手の話に集中することが求められます。「なるほど。では、この部分はどう考えればいいでしょうか。」「ここについてはどう思われますか。」というように、躊躇なく質問して掘り下げていってもらいます。もともとはカウンセリングの際のコミュニケーション技法として作られたものですが、アクティブリスニングによって、プレゼンテーションの本質を明確化することに繋がります。
反復と繰り返し
暗記は反復と繰り返しの積み重ねによって行われます。プレゼンテーションの内容を繰り返し練習し、定期的な復習を行うことで、情報を確実に脳に定着させることができます。
また、いつも練習をしている場所と異なる環境や状況でも練習を行うようにします。本番において何かが起きた場合でも柔軟に対応する力を養うことができます。
まとめ:プレゼンの目的を果たすために選択を
プレゼンテーションにおいて暗記は必須ではなく、台本を見ながら自然な話し方で伝えることも大切です。一方で、暗記をすることで、スムーズかつ自信に満ちた話し方が得られることも事実です。
どういった場面で、誰を相手にプレゼンを行うのか、またプレゼンまでの練習時間はどれくらいあるのか等、その場その場に合わせて、暗記もしくは台本やその他の手法を柔軟に選択するようにしましょう。

プレゼンテーションの本来の目的は、聞き手の理解を得ること、そして行動を促すことです。この目的を忘れずに、効果的なプレゼンテーションを実現しましょう。
プレゼンの練習方法や話し方など、プレゼンに関する記事はこちらにてご紹介しております。