持続可能な農業を目指して!夢実堂が取り組むkintone×ハタトレによる情報共有と業務効率化

株式会社夢実堂 岡田様
株式会社夢実堂 岡田様

企業名:株式会社夢実堂
業種:農林水産業(有機栽培ベビーリーフの生産販売)
公式サイト:https://www.yumemido.jp/

有機栽培による農作物の生産から販売までを一貫して事業を展開する株式会社夢実堂。

持続可能な農業に取り組む同社では、これまで食品安全や環境保全に取り組み、それらに関連する各種認証も取得してきました。SDGs宣言の準備も進めるなど、理念に沿った経営を実践するなかで、同社に浮上したのは、業務の効率化や情報共有の属人化をどのように解消するかという課題でした。

課題解消に向け夢実堂では、伴走型業務改善トレーニングである「 ハタトレ 」を導入。情報の一元管理と業務フローの構築を目指す同社の取り組みについて、代表の岡田様に詳しくお話を伺いました。

目次

社内で情報を共有するためには属人化を解消する必要があった

ベビーリーフ

岡田様:当社は、有機栽培で育てたベビーリーフの製造から販売までを一貫して行っている農業生産法人です。2008年に創業し、これまで食品安全や環境保全に配慮した生産方法を行っている企業が取れる有機JAS認証やGLOBALG.A.P認証を取得してきました。現在は夢実る大地を未来につなぐという理念を掲げ、「 持続可能・魅力ある・儲かる農業の実現 」を目指し、事業を展開しています。

今回ハタトレの導入を決めた理由は、各ツールに点在する情報を一つにまとめ、代表の私だけではなく全社員で共有できる仕組みを作るためでした。kintoneについては以前から導入してはいたものの、実質的には私一人が使用している状態が続き、社内での情報共有が不十分だったのです。Excelやスプレッドシート、手書きの資料に情報が点在するなど一つにまとめられておらず、連絡共有などの業務にも支障をきたしていました。

また、商品の受発注案件や資材の在庫管理も、パソコンが使える一部の人しか管理できていませんでした。情報共有をするための簡易的なExcelファイルを作るといった二度手間が発生しており、非効率な状況が課題として浮上していたのです。

デジタル化を進めると決めてからも、Excelやスプレッドシートの複雑な関数を使用することには抵抗がありました。スマートフォンやタブレットは扱えても、複雑なパソコン操作に苦手意識を持つスタッフも多かったため、誰もが利用しやすいプラットフォームの導入を進めることにしたのです。

抱えている課題に対して、適切なサポートをしてくれるという期待感があった

岡田様:kintoneを扱うようになったのは、今から約7〜8年前まで遡ります。元々最新トレンドや新製品には敏感なほうなので、「 簡単に作れます 」という当時のkintoneのキャッチコピーに魅力を感じて導入しました。

MOVEDとのお付き合いは、kintoneの本格運用を検討したときに偶然インターネットで知り、問い合わせをしたことから始まります。印象に残っているのは、問い合わせ後の初回打ち合わせの段階から、MOVEDの担当者が親身になって相談に乗ってくれたことです。その後も定期的に連絡くださり、抱えている課題に対して適切なソリューションを提案してくれました。提案を検討していくうちに、ハタトレの導入が当社の課題解消につながる最適な道だと感じたため、導入を決めました。

ハタトレでは、データを活用して複数のアプリをどう連携させるかということをメインにサポートしていただきました。具体的には、受発注の管理と商品の在庫をベースに製造計画を作るというフロー構築となります。曜日の考え方やフィルターのかけ方など、複雑な部分を含めて丁寧にサポートいただいたことで、フローが完成し、現在実装に向けて作業を進めています。

ハタトレを導入して良かった点は、半年間という長い伴走期間を親身になってサポートしていただけたことです。相談がしやすい環境かつ、丁寧なサポートを受けられたことで、満足いく結果につなげることができました。

さらなる業務効率化には、デジタル人材の育成が不可欠

作業風景

岡田様:ハタトレ導入後、業務フロー構築に向けた開発過程で苦労したのは、マスターデータの整備とそこからどのようにデータ同士を連携させていくかということでした。これまでExcelやスプレッドシートで管理していた情報をkintoneのデータベースとして再構築する作業は簡単ではなく、曜日ごとの製造計画といった時間軸を考慮したデータ連携などで多くの調整を要したからです。MOVEDのサポートチームは、このような複雑な要件にも柔軟に対応し、具体的な解決策を提案してくれました。

今回構築したシステムの実装後は、業務工数も大幅に削減できると考えています。現在データ管理やチェック、入力、転記といった複数の工数に時間を要しているので、このシステムの定着によりそれらの作業はほぼ0の状態に近づけられます。各部署で必要な入力作業をするだけで自動的にデータが連携でき、パソコン操作に不慣れなスタッフが2〜3時間かけていた作業も大幅に効率化できる見込みです。

ただし、システム導入による効果を上げるためには、さらなる工夫が必要だと考えています。これまではスプレッドシートでデータを入力する際に、リアルタイムで数字の変化を追えていたので、直感的に分析しやすい環境が整っていました。しかし、これからは手作業による分かりやすさよりも、kintoneで構築した仕組みの原理原則をスタッフに理解してもらうことのほうが、業務効率化につながると感じています。

システムの操作方法を指導するだけでなく、なぜそのデータが必要なのか、どのように活用すれば良いのかという点を理解してもらうことで、より効果的な運用が可能になると考えているからです。

そのためには、デジタル化に興味を持っている人材を育成しなければなりません。kintoneを活用できる社員が増えれば、運用もスムーズになるため、今年入社した社員たちにも期待を寄せています。実際に運用するなかで課題が生じた際も、MOVEDのサポートやkintoneのセミナーなども活用して、継続的なレベルアップを図っていきたいと考えています。

持続可能な農業経営に向け、kintoneを活用していく

岡田様:kintoneは自由度が高く、操作を覚えれば、さまざまなニーズに対応できるツールだと感じています。

以前まではExcelやWordといったツールを使用するのが主流だったのに対し、現在はGoogleドライブやスマートフォンとタブレットも併用して仕事をする時代に変化してきました。

当社が目指す「 持続可能な農業 」は環境面だけでなく、経営面でも持続可能であることが求められています。効率的な業務フローの構築と、知識やノウハウの共有・継承が不可欠であり、スマートフォンやタブレットにも対応したkintoneは、それらをサポートするシステムと位置付けています。

デジタル化によって得られたデータは、分析することでより精度の高い生産計画や在庫管理への応用が可能です。無駄のない生産体制の構築にもつながり、環境に配慮した農業と効率的な経営を目指すためにも、引き続きkintoneの活用を進めていきます。

農業は経験と勘に頼る世界だと言われていますが、それだけを頼りに業務を進めていては社員間の意思疎通も図れません。ストレスを感じたスタッフが離職するのを防ぐためにも、現在は採用時に実際の業務内容がしっかりと伝わるように事前に説明できる取り組みも始めました。今後は社内のコミュニケーションの円滑化と、物事をシンプルに捉えられる仕組みづくりにkintoneを活用していきます。

代表である私がいなくても業務が回る仕組みを構築したい

農地に赴く代表 岡田様

岡田様:将来的には、代表である私がいなくても業務が回る仕組みを目指します。すべての情報をkintoneに集約し、データを閲覧すれば誰でも業務を理解できるような環境が理想です。

それらを一度に実現することは難しいのですが、まずはスタッフが抵抗なくアクセスできる「 入口 」を作ることが重要だと考えています。できるだけシンプルな設計で、誰でも使いやすいシステムを構築していく予定です。

システムが順調に稼働すれば、次第に興味を持つスタッフも増えてくるはずです。特に若い世代やITに強いスタッフがデジタルツールに興味を持つことで、システムの活用が一気に進展することも考えられます。

当社が抱えている情報の一元管理や業務の効率化は、他の農業経営者も同様に直面している課題といえます。規模の大小を問わず、今後の農業法人はそれぞれが抱えている課題を解消していかなければなりません。私はkintoneのようなクラウドツールを活用することで、そうした課題が解決できると考えています。

農業分野でのデジタル化は、まだ始まった段階です。最初から大きなシステムを構築する必要はなく、例えば農薬の管理リストや整備記録など、小さな部分から始めてみるのも一つの活用法かもしれません。kintoneを活用すればExcelで作るよりも早く資料が作成でき、スマートフォンでも閲覧が可能なので、パソコンが手元になくても業務の効率化が図れます。

当社が掲げる持続可能で効率的な農業経営を実現するために、デジタル化は避けて通れない道です。デジタルツールの導入に興味のある方は、まずkintoneの無料お試し期間を活用して、実際に触れてみることをオススメします。私たちの経験が、同じような課題を抱える農業経営者の方々の参考になれば幸いです。

働き方トレーナーが語る業務改善トレーニング「 ハタトレ 」の魅力

執筆者

取材ライター:小町ヒロキ

すべての人に、心を動かす「きっかけ」を。
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