独自の研修メニューで起業家を支援!SMBCグループが仕掛けるアクセラレーションプログラム未来X(mirai cross)

ワン丸

こんにちは、MOVED編集部です。

アイデアの事業化を目指す起業家にとって、投資家に対して直接プレゼンテーションができる「 ピッチコンテスト 」に参加し、入賞することは夢への近道。

SMBCグループとみらいワークスが共同運営するアクセラレーションプログラム「未来X(mirai cross)」は、2015年のスタート以来、多くのスタートアップと投資家が繋がり、新たなビジネスが誕生するきっかけとなってきました。

MOVEDは、2022年度から3年連続でこのプログラムのアドバイザーを務め、最終審査会を目指す参加者様に向けた「 プレゼン研修 」を行っています。

今回は、SMBCグループの木原様・株式会社みらいワークスの中村様と、MOVEDの代表 渋谷雄大・プレゼン研修の講師を務めた桜野友佳の4者が対談。

未来X(mirai cross)が見据えるスタートアップ支援の全体像や、ピッチコンテストにおけるプレゼンテーションの大切さについて語ります。

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目次

スタートアップの投資家の共創のきっかけに。アクセラレーションプログラム未来X(mirai cross)とは?

右から、SMBCグループ 木原様
MOVED 桜野・渋谷 みらいワークス / 中村様はオンラインでのご参加
桜野

木原様、中村様、今回はお時間をいただきありがとうございます。早速ですが、改めて未来X(mirai cross)の概要についてご説明いただけますか?

木原様:前身となる取組として、2015 年から当初は「 未来 」という名前で、シードステージのス タートアップを対象としたピッチコンテストを行っていました。その後、近年のマーケッ ト状況を鑑みて、起業家と事業会社の事業共創をさらに加速させるべく、様々なプログラ ムを準備し、2021年8月に未来X(mirai cross)という名称で大きくリブランディング。これまで以上にSMBCグループの特色を全面に出し、グループ各社を巻き込みながら、みらいワークスの皆さまと共同運営をする座組で運営をしています。未来X(mirai cross)にはスタートアップの方も事業会社の方も無料で会員として登録でき、現在は約2,000名に登録いただいています。

桜野

それほど積極的にPRはされていない印象ですが“知る人ぞ知るプログラム”として、着実に認知が広がっているようですね。

木原様:そうですね。特徴としては、会員様がどなたもアクティブであるということ。熱意のある方々がプログラムを通して交わっています。また、ベンチャーキャピタルとして出資する機能を有するファンドの方々が、直接審査員や講師として参加している点も未来X(mirai cross)の価値です。有識者やアカデミア関係など、70近くの団体と連携し、スタートアップの企業様を支援しています。そして、未来 X(mirai cross)の中でも主要なプ ログラムの1つがアクセラレーションプログラムです。

渋谷

2023年度のプログラムの講師も非常に豪華でしたね。

木原様:おかげさまで、志・リーダーシップ、資本政策、ESG、グローバルなど、さまざまな研修で、第一線で活躍されている皆様に参画いただいています。

桜野

これまで10回にわたってアクセラレーションプログラムを行われてきたなかで、参加する起業家様や事業会社様の変化についてお感じになっていることはありますか?

木原様:プログラム実施後の歴代アンケートを見返すと、当初、事業会社様の多くは、どんな起業家がどんなアイデアをもっているのか、市場を把握する「 情報収集 」を目的にプログラムに参加していたことがわかります。しかし、最近では情報収集のフェーズは終わりを迎え、実際にビジネスを共創できる相手を真剣に探しているようです。同時に、参加する起業家様のレベルも上がっていると実感しています。

桜野

参加者様のレベルが上がっていることは、私もプレゼン研修の講師をさせていただきながら感じていました。

ちなみに、これまでのプログラムを通して実際にビジネスとして成立した事例はあるのでしょうか?

木原様:プログラムを通して起業家様と事業会社様が繋がり、自社での導入、サービスリリース、資本業務提携等に至った事例は10件を超えています。また、プログラムへの参加をきっかけに上場したスタートアップが4社ありました。他にも、これからなんらかの形で実を結びそうな芽はたくさんあり、楽しみに見守っているところです。

ピッチコンテストにおけるプレゼンの重要性とMOVED研修への評価

桜野

2022年度の未来X(mirai cross)からはプログラムとして新たにプレゼン研修が加わり、MOVEDも関わらせていただくようになりました。プレゼン研修を追加した理由をお聞かせいただけますか?

木原様:ピッチコンテストにエントリーされた参加者様の中から研修を受けていただく方を選出する際、事務局では、エントリーシート記載内容をもとに「どういった組織が、どんな技術・アイデアをもっているか・市場性はあるか・社会的意義はあるのか 」という点に注目しています。プレゼンテーションの動画も送っていただきますが、その時点でプレゼンは参考情報の一つという捉え方です。しかし、最終審査会で審査員が評価するのはピッチのみ。アウトプットとなるプレゼンのレベルを上げることが参加者様にとってとても大切だと考え、プレゼン研修を導入しました。

桜野

どれだけアイデアが良くても、ピッチでのプレゼンで伝わらないと意味がない…なかなか厳しい世界ですね。

渋谷

渋谷:参加者側としても、ピッチコンテストに出場して満足してしまう方は意外と少なくないと思います。そうすると、結局マッチングせずに終わってしまう。

ピッチにおけるプレゼンの重要性を認識して研修に盛り込んだ未来X(mirai cross)のプログラムからは「 本気で参加者と事業会社を繋げよう 」という事務局のみなさんの想いを感じます。

桜野

ちなみに、MOVEDがプレゼン研修を担当させていただくようになって3年経ちましたが、率直なところ、ご感想や参加者様の反応はいかがでしょうか?

木原様:プレゼン研修はMOVEDさんを含む複数の企業様にお願いしております。毎年参加者の皆様に研修内容のアンケート調査を実施していますが、MOVEDさんの研修はかなり上位の評価です。ピッチ経験の少ないシード・アーリーステージのスタートアップの方にとって、MOVEDさんのプレゼン研修は「 事業会社との協業・投資 」というゴールへの後押しに繋げるうえで、非常に大きな価値があると思います。一方で、元々大手コンサルティングファーム出身のプレゼンに慣れている方に対しても、聴衆にわかりやすく、エモーショナルに伝えるノウハウを教えていただきました。その結果、参加者の方へのアンケートでも、プレゼン研修は大変評価の高い研修に繋がったと思っております。

桜野

プレゼン初心者の方と経験者の方、それぞれで悩みの種は違うと思いますが、どちらの方にもご満足いただけているということはとても嬉しいです。

参加者の個性を活かしたプレゼンで、聴衆に熱意と本質を伝えて欲しい

桜野

これまでピッチに参加された方のなかで、プレゼンで特に印象に残っている方はいますか?

木原様:記憶に残っている参加者の方がいます。その方は、過去の経歴でかなりプレゼンの場数をこなされていましたが、聴衆の心をどのように掴むのかという最も重要なことの答えがご自身のなかで見つからず、課題に感じていたようです。MOVEDさんのプレゼン研修でのフィードバックを受け、エモーショナルな表現を要素として取り入れたことで、聞き手が受ける印象は大きく変わったと思います。有名なピッチコンテストで何度も優勝経験のあるその方にも、全く臆せずに細かく指摘する桜野さんの指導に熱意を感じました。

中村様:私が印象に残っているのは、プレゼンに慣れている参加者です。最初からとても慣れていらっしゃって、研修の段階からお上手でしたが、どこか淡々としていて聴衆の記憶には残りにくいものでした。MOVEDの講師の方から「 誰に向けて、何を目的に行うプレゼンなのかを明確にすべき 」という方向性で具体的に指摘され、ご自身でその問題点に気付かれたようです。本番では、資料もまったく違うものにブラッシュアップし、プレゼンの仕方も、身振りや手振りを交えた豊かな表現で彩られていました。最初に資料で送られてきたプレゼン動画とは見違えたように、話し手の人柄まで伝わる非常に魅力的なプレゼンになっていました。

渋谷

嬉しい評価、大変励みになります。慣れている方ほど型にはまってしまい、そこから抜け出せなくなってしまうことはよくあると思います。

スラスラ話せるけど、言葉に想いがのらず、相手の心に届かない。MOVEDのプレゼン研修は「 話し方 」のような“型”を教えるものではありません。

その人の個性をいかに引き出して伝えられるかを大切に、一人ひとりに合わせて指導させていただいています。

桜野

私は未来X(mirai cross)にプレゼン講師として関わらせていただくうえで、みなさんの個性を活かしてプレゼンスキルを底上げするというミッションと共に「 経験豊富な方と未経験の方のレベルをどれだけ揃えられるか 」もテーマにしています。

スタートラインはそれぞれ違いますが、ピッチコンテストでみなさんが同じ土俵に立ったとき、相手の心に届くプレゼンができていることを前提に、ビジネスモデルの本質を審査員の方達に理解していただき、公平に評価して欲しい。そう願っています。

木原様:その視点は私がMOVEDさんの研修で一番感動したことかもしれません。以前は参加者様ごとプレゼンのレベルに大きな差があり、ビジネスモデルは魅力的であっても「 果たしてこの調子で本番のピッチができるのだろうか… 」と不安になったことがありました。それが、研修後はレベルの差が気にならなくなり、最終審査では一番心配していた参加者様が受賞するということもありました。未来X(mirai cross)のプログラムで身につけていただいたプレゼンスキルは、参加者様にとって大きな財産になっていると思います。

桜野

たくさんのご評価、ありがとうございます。2024年度以降もぜひ未来X(mirai cross)の取り組みをご支援させてください!最後に、未来X(mirai cross)の今後の展望などをお聞かせください。

中村様:MOVEDの講師陣の方々には、いつもパッションが伝わる研修を行なっていただき、大変感謝しております。これからも、その熱をさらに注いでいただき、一緒に未来X(mirai cross)を盛り上げてください!

木原様:2025年度も、これまでのアクセラレーションプログラムに類する活動を行っていく予定です。MOVEDさんには、プログラム全体を検討するところからぜひご協力いただきたいです。また、ピッチコンテストに向けた取り組みだけでなく、参加者様と講師陣との交流の機会を設けるなど、よりインタラクティブな場作りも検討しています。いろいろとご意見をいただきながら、一緒に未来X(mirai cross)を作り上げていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします!

三井住友銀行 成長事業開発部 部長代理
木原 梓氏

大阪大学 理学部卒業後、2012年三井住友銀行へ入行。大阪(天王寺)での法人営業、神戸での自治体営業に従事後、2018年4月スタートアップへ出向を機に上京(頭取ピッチコンテスト初年度優勝案件スタートアップ出向プログラム「DECCHI」1人目)。成長事業開発部へ帰任後、デジタルを活用した新規事業推進、スタートアップの行内データベース構築、社内外の広報等、各施策の立案・推進に奔走。スタートアップエコシステムプラットフォーム「未来X(mirai cross)」の立ち上げメンバー。もうすぐ2歳の娘と遊ぶのが癒し、2024/3月現在、現在第2子妊娠中。「今日は残りの人生の最初の日」がモットー。

株式会社みらいワークス
ソリューション開発・推進部
中村 晃子

同志社大学卒業後、“個の成長”をテーマに採用・人材育成領域の経験を複数社で積んだのち、約5年間のフリーランス期間を経て(株)みらいワークスへ。自身も起業を志した経験から、一人でも多くの起業家が世に出ていくことをサポートしたいとの思いで本プロジェクトに参画中。  

すべての人に、心を動かす「きっかけ」を。
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