MOVED代表 渋谷雄大の想い「今日も誰かのきっかけになる」【 創業秘話 】
こんにちは、MOVED編集部です。
ダイバーシティや心理的安全性、人的資本など、ビジネスシーンの急速な変化により、企業には新たな価値観が求められるようになりました。
そんな中、オフィスを持たず、代表を含めてメンバー約40名全員が副業という組織があるのをご存知でしょうか?
それが、私たちMOVEDです。
一風変わったこの組織が誕生したきっかけや、その背景、ミッションやビジョンについて、同社代表の渋谷雄大がMOVED MeetUp 2023で語った言葉を元にご紹介します。
MOVEDのちょっと変わった働き方
MOVEDの働き方の特徴は大きく2つあります。
特徴 ① – オフィスを持たない会社
誰も出社せず、全国各地にいるメンバーがオンラインで繋がりながらリモートワークをしています。
打ち合わせもZoomやGoogle Meetを使った完全リモート。
当然全ての書類がペーパーレスで、kintoneやSlack、Notionといった業務アプリを使いこなしています。
コロナ禍以前からこうした完全リモートワークを実施してきた企業として、総務省の「 テレワーク先駆者百選 」にも認定されました。
リモート環境であってもコミュニケーションの量を増やすために、月に1回「 寄り合い 」という全体ミーティングを開催。
3ヶ月に1回、メンバー同士のフランクなコミュニケーションの場として「 わが家 」というミーティングを開催するなど、ツールと仕組みの両面で全国どこからでも働ける環境を整えています。
特徴 ② – メンバー全員が副業
渋谷自身も、サイボウズ株式会社のエバンジェリストとして、クラウドサービス「 kintone 」の普及活動を中心に、年間150回以上の講演・セミナーを行っています。
MOVEDに参加するメンバーは、子育てをしながら他の会社にも勤める人や、起業している人、ラジオのリポーターやイベントのMC、さらには高校1年生まで、経歴も年齢もさまざま。
多様なメンバーが、個々のスキルや強みを生かしながら、共に組織を動かしています。
MOVEDが生まれた背景
そんなMOVEDが誕生した背景について、渋谷は2つの背景があったと話します。
父親の影響
カメラマンや熱帯魚の水槽のメンテナンスなど、フリーランスで自分の好きなことを仕事にして活躍する父を見て育った渋谷。その背中に憧れを抱いていたと、当時を振り返ります。
「 子どもの頃、七五三など記念日の家族写真はいつも父が撮ってくれました。近所の公民館を貸し切って、照明器具もすべて自前でセッティングして、素敵な父親なんです。他にも、幼少期から周りにはフリーランスで働いている大人が多かったです。そんな人たちのたくましく自由な生き方を尊敬していましたし、今でも大きな影響を受けていると感じます 」
オーストラリアでの経験
スポーツ専門学校を卒業後、鍼灸師・スポーツトレーナーとして活動していた渋谷は、21歳のときにオーストラリアのシドニーで過ごしていました。
そこで、現地の人の日本とは全く異なる仕事観にカルチャーショックを受けたのだそう。
「 オーストラリアで出会った人達は、誰もが人生を心から楽しんでいて、それがとても衝撃的でした。一方、日本では『仕事のために生きる』『仕事に人生を捧げる』という考えが根付いて、自分自身も当たり前のようにそう思っていました 」
新しい価値観に触れた渋谷は、帰国後「 もっと人生を豊かにしたい 」と一念発起。
鍼灸師の仕事を辞め、IT業界に転職しました。
ICTコミュニケーションズというベンチャー企業に入社し、そこで研修やプレゼンといった仕事と関わることになった渋谷。
その繋がりでサイボウズの代表取締役 青野慶久氏と出会い、kintoneの研修プログラムの作成を相談されたことから、現在のサイボウズエバンジェリストという活動にも発展していきました。
「 自分の生き方を大事にしたいという一心でチャレンジを続けた結果、有難いご縁にも支えられて新しいキャリアを切り開くことができました。そして、さらに自分が考える理想的な生き方を世界に広げていきたいと、その想いを形にしたのがMOVEDという新たな組織でした 」
無名の組織に求人が殺到した創業期
MOVEDは当初、渋谷が企業向けにプレゼンテーションを教える法人として2018年に設立しました。
やがて、メンバーを増やそうと、X(当時のTwitter)で募集を始めた渋谷。
採用にあまりお金をかけられず「 副業もリモートワークもOK 」という条件で投稿したところ、思いもよらぬ多数のエントリーがありました。
こうして、全国各地、起業している人から車中泊で全国を旅する人まで、個性豊かな人が集まり、共にチームを作り始めたMOVEDの創業期。
渋谷は「 なんでこんなに価値ある方々が、誰にも知られていないMOVEDに応募してくれたのだろう 」と、疑問に思ったのだそう。
「 理由を考え、働き方に悩みをもつ人が多い世の中になった結果なのだと気付いたんです。育児と仕事の両立や、介護の問題など、思い描く理想的な働き方が実現できず、葛藤の末に仕事を諦めてしまう人が増えていると肌で感じています。そういった方々のニーズとMOVEDの価値観がマッチしたことが、チームが広がっていった要因でした 」
今日も、だれかの「きっかけ」になる
さまざまなバックボーンをもつ人が集まり、独自の組織を形成していったMOVED。
場所にも時間にもとらわれず、誰にもマネジメントされず、各々が自発的に手を挙げて仕事をしています。
今や、働く人のキャリアアップに対する意欲が弱まり、それよりもプライベートを大切にしたいという考えが強まる社会。
それは、渋谷がオーストラリアで感じた価値観に近いといえるかもしれません。
渋谷は自分が思い描いた通り、現代のニーズに合った組織を作り出すことができたという達成感を得る一方で、
組織の存在意義について、頭を悩ませるようになっていきました。
「 多くの人のなかで、企業に対する帰属意識や期待が薄れる今、MOVEDが存在する意味とは? これからMOVEDが何を目指していくべきなのか 」
そんな悩みを渋谷が他のメンバーにようやく話せるようになったとき、有志のメンバーから自然発生的に「 未来会議 」という会議体が生まれました。
未来会議は、MOVEDの未来についてざっくばらんに話す不定期開催のミーティングです。
MOVEDのミッションやビジョンについて話すなか、メンバーの中から何度も何度も出てきたキーワードがありました。
それが「 きっかけ 」という言葉です。
MOVEDに関わることは、あるメンバーにとって、柔軟な働き方で子どもとの時間が増えるきっかけに。
あるメンバーにとっては、仕事の楽しさに気付くきっかけに。
またあるメンバーにとっては、多様な価値観と交わり、自分自身を変えるきっかけに。
そんな、各メンバーの心のなかで抱いていた「 きっかけ 」という言葉をあたため、議論を重ねた結果、ようやく生まれたのが『 今日も、だれかの「きっかけ」になる 』という現在のMOVEDのミッションです。
「 ちなみに、MOVEDのロゴを見ていただくと、実は数字の『1』が隠れているのをご存知でしょうか?何もない0の状態から1を生み出す…そんなきっかけを少しでも多く作っていくことが、私たちの存在意義です 」
そして、MOVEDが「 きっかけ 」を作り続け、その先に叶えたいビジョンとして掲げたのが「 誰もが自己実現できる世界 」という言葉でした。
この意味についても、渋谷は次のように語ります。
「 MOVEDのメンバーが生き生きと楽しく仕事をし、それがお客様にも伝わることで、一人ひとりが自分らしく色鮮やかに生きていける世界を作りたいっていきたいと思っています。ホームページにも掲載しているネイチャーアクアリウム(水槽)は、そんな私たちのビジョンを象徴するもの。色とりどりの魚たちが相互に助け合い、美しい世界を作っていく… 私が尊敬する父が大好きなネイチャーアクアリウムをメタファーにして活動しています 」
現在、MOVEDはさまざまな「きっかけ」になるための4つの事業を展開しています。
パーソナルプレゼンテーション講座「PLet’s(プレッツ)」
「 伝える 」から「 伝わる 」へのきっかけに
伴走型業務改善トレーニング「ハタトレ」
「業務改善」のきっかけに
クラウドツールのスキルアップ研修「クラウドユニバーシティ」
「 クラウドツールのスキルアップ 」のきっかけに
地域支援事業「カケゴエ」
地域の人や取り組みがつながる」きっけに
2018年に創業したMOVEDは、現在6期目。
これからもMOVEDという名前の通り、変化を恐れずに動き、冒険を続けながら、誰かの心を動かしてあげる。
そんな会社を目指していきます。
ぜひ今後とも、MOVEDにご期待ください!